函館市/函館市地域史料アーカイブ

函館市史 通説編1

通説編第1巻 第3編 古代・中世・近世

第5章 箱館開港

第13節 教育・学芸・衛生

3 衛生

 幕府再直轄時代の御雇医師としては、田沢春堂塩田順庵下山仙庵柏倉忠粛などの名が見られる。春堂は南部佐井の人で、江戸の吉田長淑の門に入って西洋医術を修め、高野長英と同門であった。箱館に来て開業中安政2(1855)年箱館奉行所の雇医師に任じられた。順庵は加州金沢の人で増島蘭園に学び、官医塩田宗温に請われて養子となり、安政3年蝦夷地在住を命じられ、箱館奉行所学問教授役となった。仙庵は仙台の人で、箱館の町医師であったが、安政5年奉行所雇医師に任じられた。忠粛は出羽村山郡の人で米沢で医を学び、箱館に来て開業中万延元年箱館病院頭取に挙げられた。
 安政4年幕命を受けて、蝦夷地アイヌに強制種痘に来た深瀬洋春は、箱館の生まれであるがのちに述べる。奉行所の役人であった栗本匏庵も医籍の人である。
 文久のころには、官医、町医など合わせて40人近くいた。

田沢春堂


塩田順庵