札幌市中央図書館/新札幌市史デジタルアーカイブ

新札幌市史 第5巻 通史5下

第十編 現代の札幌

第九章 芸術・文化の拡がり

第一節 芸術文化

五 映画

 『E.T.』以降、平成九年の『タイタニック』『もののけ姫』、十年公開『踊る大捜査線』など、記録を塗り替える大ヒット作も生まれたが、レンタルビデオやDVD、衛星放送の普及は映画館に足を運ぶ人々を漸減させた(表6参照)。市内映画館数にも変動が見られる。五十九年には、道内初、車で乗り入れて映画を鑑賞するドライブ・イン・シアターが、厚別のサンピアザ北駐車場にオープンした。二八〇台収容(冬期間休業)で市民はもとより江別、北広島市等近郊都市からカップル・家族連れ客が訪れた。前述のジャブ70ホールは平成四年に閉館したが、新たに六八席のミニシアター・蠍座(さそりざ)(北九西三タカノビル地下)が、八年にオープンした。須貝ビル内映画館三館の支配人であった田中次郎が独立したもので、二本立ての名画座スタイルを保ち、幅広い年齢層に支持されている。十一年には前述の映像作家・吉雄孝紀が、伊藤隆介らと南区に自主映画上映館「まるバ会館」をオープン、ビデオ世代の若者に八ミリフィルムの魅力を伝えたが、十六年に閉館となった。
表-6 札幌市映画館数
年度映画館数札幌主要洋画劇場動員数同左 興行収入全国映画館入場人員国民1人当たり
年間入場回数
昭4728館8,467,0003,335,889,000187,391,0001.8
 4826館8,769,0004,023,687,000185,324,0001.7
 4928館9,042,0005,379,124,000185,738,0001.5
 5027館(データ無し)(データ無し)174,020,0001.5
 5128館(データ無し)(データ無し)171,020,0001.5
 5229館(データ無し)(データ無し)165,172,0001.4
 5331館1,201,1431,368,499,999166,042,0001.4
 5430館1,161,9361,311,465,879165,088,0001.4
 5533館1,195,7691,455,859,015164,422,0001.4
 5635館956,9761,249,184,169149,450,0001.27
 5737館934,7741,220,413,604155,280,0001.32
 5837館1,274,0371,643,402,801170,430,0001.44
 5937館979,2721,274,909,504150,527,0001.26
 6039館1,182,8801,523,844,396155,130,0001.28
 6140館1,189,2541,522,126,150160,758,0001.33
 6238館893,8261,145,745,900143,935,0001.19
 6338館950,6561,216,422,850144,825,0001.19
平 143館1,048,0981,371,899,600143,573,0001.17
  243館1,123,0891,485,547,800146,000,0001.19
  341館946,2771,305,989,350138,330,0001.12
  441館836,7811,221,035,000125,600,0001.02
  540館961,0681,451,147,300130,720,0001.05
  640館991,5371,479,193,500122,990,0000.986
  736館986,5241,542,881,900127,040,0001.019
  837館952,7931,465,490,000119,575,0000.957
  935館1,220,7771,866,646,100140,719,0001.123
 1038館1,224,5341,782,793,400153,102,0001.219
 1139館978,0301,363,374,400144,762,0001.148
 1236館834,6101,128,831,490135,390,0001.074
・映画館数~昭和47~63年度の数値はさっぽろ文庫49『札幌と映画』より。平1~12年度の数値は『札幌市統計書』より、興行場法第一条に基づく施設数。
・動員数等は時事映画通信社『映画年鑑』を基礎資料とした。ただし昭和47~49年の札幌主要洋画劇場動員数及び興行収入は札幌国税局のデータであり、他と算出方法が異なる。

 そして十年六月、サッポロファクトリー(北一東四)内に、一一スクリーン計二七四一席という国内最大級のシネマ・コンプレックス(複合映画施設)「パラマウント・ユニバーサル・シネマ11」が開業した。強力な外資系映画館の出現は人の流れも変え、十五年三月にJR札幌駅に「札幌シネマフロンティア」が開業したことで映画館閉館も相次いだ(表7参照)。
表-7 シネマコンプレックス開業と市内映画館の閉館
開館平10. 6.20パラマウント・ユニバーサル・シネマ11中央区北1東4 サッポロファクトリー一条館(11スクリーン・2741席)
 15. 3. 6札幌シネマフロンティア中央区北5西2 JRタワー・ステラプレイス(12スクリーン・2705席)
閉館 13. 3. 2札幌ピカデリー1、ピカデリー2中央区南3西4
 13. 5.31コトニシアター西区琴似2条1丁目
 13.10.31白石劇場白石区本通3丁目
 15. 2.27三越名画劇場中央区南1西5
 15. 3.23松竹遊楽館SY遊楽中央区南2西3
 15. 3.28シネスイッチ札幌、東映パラス中央区南2西5
 15. 3.30札幌東映劇場中央区南2西5
 15. 8.25ニコー劇場中央区南3西2
 15. 8.31東宝日劇中央区南1西1
(休館) 15. 9. 5帝国座、ポーラスター中央区南3西1

 商業ペースではなく、息の長い活動を続ける団体もある。父母や教員らが作った「札幌親と子の良い映画を見る会」は、昭和四十一年の発足(事務局・北海道共同映画新社)であった。五十六年に始まり、一時休止したのち平成九年に復活した「子どもによい映画を見せる会」(事務局・フィルムアート)も、良質の作品を上映し続けている。札幌勤労者映画協会から昭和四十九年に改称した「札幌映画サークル」も、定期上映会を重ね、懐かしい日本映画から洋画話題作までを紹介し、裾野を確実に広げている。