札幌市中央図書館/新札幌市史デジタルアーカイブ

新札幌市史 第5巻 通史5下

第十編 現代の札幌

第八章 現代の教育

第五節 社会教育の新展開―生涯学習時代の幕開け―

三 社会教育施設の拡充

 札幌市の社会教育については公民館の不在がしばしば話題となるが、その中にあって月寒公民館はいまや札幌市で唯一の公民館となった。月寒公民館は昭和二十四年五月に設置された旧豊平公民館がその前身である。三十六年、豊平町と札幌市との合併に伴い、札幌市に引き継がれた。その後豊平区役所の移転に伴い、五十年に現在地に移転して今日に至っている。生涯学習に関する施設が多彩に展開しつつある昨今、社会教育専門施設としての公民館の独自性は、住民から見て最寄りの圏域に所在する総合的社会教育施設であること、社会教育専門職員として公民館(社会教育)主事が配置されていること、住民主体の運営体制があること、などに示されている。
 月寒公民館の場合、専門職員ではないが、兼任の月寒公民館長として担当行政職が配置されており、その管理運営には豊平区役所と豊平区民センター運営委員会があたっている。また、市に引き継がれたさいに、「札幌市公民館条例」および同施行規則にもとづいて月寒公民館運営審議会が発足し、現在に至っている。その構成は、学校教育関係者、社会教育関係者、学識経験者などからなっており、公民館長の諮問事項、年間事業計画・報告などの審議にあたっている(定数一〇人以内)。
 公民館の事業としては成人講座(年三回二〇科目、受講者:四〇三人、平成十三年度以下同じ)、サークル活動(週一回程度、五〇サークル)、高齢者事業(年三回、受講者:一七三人)、図書貸し出し(年間貸し出し冊数二万八六〇〇冊、うち児童書約九〇〇〇冊)などとなっており、公民館の年間利用者数は約一三万人に及んでいる。所在地近隣の住民から見れば、区民センターなどとは異なった、親しみ易く活用し易い社会教育施設として機能しているということができよう。