札幌市中央図書館/新札幌市史デジタルアーカイブ

新札幌市史 第5巻 通史5下

第十編 現代の札幌

第五章 躍進する第三次産業

第七節 情報化の胎動

二 通信新時代の到来

 平成七年七月一日NTT北海道パーソナル通信網とDDI北海道ポケット電話が全国のトップを切って、札幌圏(札幌・千歳・恵庭三市)でPHSサービスを始め、翌年三月北海道電力(株)の子会社であるアステル北海道(平6・11設立)が営業を開始した(北海道電力五十年の歩み)。
 PHSとはPersonal Handy-phone Systemの略で、家庭のコードレス電話の子機を外出先でも通話できるイメージの簡易な携帯電話として開発された。PHSの郵政省令で定められた正式名称は簡易型携帯電話であったが、その後PHSに改められている(北海道の電信電話年代記 平14)。
 PHSは電波が届く範囲が狭いために電波の出力が小さくてすみ、そのため消費電力も少なく、長時間使えることと端末機が小型で製造コストが安いことが利点であった。こうしてPHSは小型軽量で通話料も安いことをセールスポイントに、携帯電話とのすみ分けを目論んで市場に登場したのだが、実際には携帯電話の小型軽量化や通話料金の値下げがすすんだことからPHSとの差別化の垣根は崩壊し、道内のPHS契約数は十年の三二万台をピークに下降していく。
 携帯電話に対するPHSの劣勢が浮き彫りとなるなか、NTT北海道パーソナル通信網は十年十二月事業をNTTドコモ北海道に移管し(北海道の電信電話年代記)、アステル北海道も十一年十一月に北電系の地域新電電である北海道総合通信網(略称HOTnet)に営業譲渡する(道新 平11・10・21)。DDI北海道ポケット電話は十二年一月全国の系列地域会社が統合されたのにともないDDIポケットとなった。
 その後PHS業界は高速データ通信サービスや(道新 平11・3・25)、画像を送れる機種を開発するなどの巻き返しを図った結果(道新 平11・5・18)、加入者は微増に転じ、道内でも復調の兆しがみられた(道新 平12・2・22)。PHSと携帯電話とのすみ分けを目指した模索が続くなか、十二年携帯電話およびPHSを合わせた契約数は固定電話の契約数を超え、移動体通信の隆盛が浮き彫りになっている。