札幌市中央図書館/新札幌市史デジタルアーカイブ

新札幌市史 第5巻 通史5上

第九編 大都市への成長

第八章 教育の民主化

第四節 戦後社会教育の展開

一 社会教育行政の新展開

 戦後のいわゆる婦人教育は、青年教育とともに一変した。戦前・戦中期に国家総動員体制の一翼を担った愛国婦人会などの婦人団体に代わり、女性の社会的地位の向上と社会活動が婦人教育の主とされたが、その活動は既存の婦人団体に加えて、町内会婦人部、農協婦人部、労働組合婦人部など実に幅広く、その活動も各種学級・講座、地域婦人活動、それぞれ独自に展開された。さらに二十九年十一月に設置された札幌婦人団体連絡協議会には市内の婦人団体総数約一五〇のうち約六〇団体が加盟して団体相互の交流が活発となった。
 そのような中で行政が主催する婦人教育も、家庭教育、母親・子育て学習、生活改善、職業教育、文化活動など多岐にわたる中で、当初は、生活科学講座、婦人の生活を語る座談会(写真5-a、b)など、〝こどもの絵〟の指導講習会、レクリエーションなどいろいろな模索が試みられた。やがて婦人学級が三十三年に開設された。この学級は募集人員一五~四〇人、一年間二〇時間以上をめどとして、日常生活の課題を基礎とする女性の自主的な共同学習の場として設けられた。市では初年度から三カ年を育成期間とし、四年目には自主学習グループとして発足できるように指導体制をとった。開設当初は学級数四、学級生数三六〇人ほどの規模であったが、その後急速に伸びて、やがてこの講座が行政の行う婦人教育の主軸となった。ちなみに四十五年度以降についてみると、四十五年度は学級数五九、学級生数一七二三人、四十六年度は学級数四七、学級生数一二八六人となっており、さらに四十七年度の概要を示すと表11のようである。またこの年度には一三の自主グループ(三年修了者による)が活動している。

写真-5 婦人学級の様子(a.生活科学講座 b.婦人の生活を語る座談会)

表-11 札幌市婦人学級の概要(昭和47年度)
開設年度
(育成年数)
学級数学級生数
(人)
学級構成の特徴年間学習目標
4516434地域の婦人(10)日本女性史
(3年目)(15~50)小・中PTA(3)家庭の人間関係
婦人教養講座修了者郷土と文学など
4619540地域の婦人(11)子どもの理解
(2年目)(16~58)小・中PTA(4)家族の人間関係
心の科学など
4710269地域の婦人(6)北海道の歴史
(1年目)(15~55)婦人教養講座修了者栄養学
(3)家族の心理学など
451,243
札幌市教育委員会『札幌市の教育』(昭47)より作成。

 婦人教育としては、婦人教養講座、婦人グループワーカー養成講座などもあり婦人教養講座の一部は婦人学級に接続している。これとは別に小学校を基礎単位にして両親を対象とする家庭教育学級が三十九年以降行われている。四十七年度には三〇学級、学級生数一七四六人に達したが、このうち父親は三〇人に過ぎなかった。
 三十七年六月の札幌市婦人会館の設立は、その設立に向けての諸団体、個人の活動の高揚をともない、さらに設立後は、その施設利用によって諸活動の拡充をもたらした。それは開設後の年間利用者数が一〇万人以上を持続していることにも示されている。