札幌市中央図書館/新札幌市史デジタルアーカイブ

新札幌市史 第5巻 通史5上

第九編 大都市への成長

第七章 高度成長期の市民生活と社会運動の展開

第四節 社会福祉

五 民間社会福祉事業

 民生委員制度は、戦前の方面委員制度以来七〇余年の歴史をもつ日本固有の制度である。札幌市の場合、二十一年の民生委員令(昭21・9・13公布、10・1施行)に基づいて方面委員から民生委員と名を改め、従来地方長官の委嘱であったものを厚生大臣の委嘱とした。この時、従来の方面委員定数一四〇人を二八〇人とし、一委員が一公区を担当することを原則とし、援護の徹底と委員の負担の軽減を図り、委員候補推薦の常置機関である推薦委員会を設け、推薦委員一九人を委嘱し、道庁長官宛てに民生委員候補者の推薦を行い、発令を経て二六一人に対して辞令を交付した。民生委員となってからは民生委員の活動は国民生活に大きな影響を及ぼすこととなり、その重要性は一層加重された。かくて民生委員制度の運営に国家的な統制を強化する等により、その円滑化を図ることを必要とし、民生委員令は再検討され、二十三年七月二十九日民生委員法が公布・施行された。この法により、任期は三年とされ、児童福祉法により児童委員を兼ねることとなった。その後民生委員の人選の重要性から委嘱方法等の改善が図られ、二十八年民生委員審査会・推薦会の構成等の改正があり、十二月一日全国一斉に改選が行われ、以後三年の任期ごとに一斉改選となった。
 札幌市の定数は三五〇人であった。民生委員は、人格高潔にして社会福祉に熱意のある人々の中から選ばれ、社会奉仕と隣人愛の精神を基本として自主的に活動している。それぞれ担当地区を持ち、地区内の要援護世帯の相談・指導・調査などの活動のほか、関係行政機関への協力活動も行っている。四十三年十二月の改選で、定数六九六人、内男四八五人、女二一一人であった。経験年数では、定数の三三パーセント・二三五人が五年以上の経験者であった。その活動内容は、四一地区の民生委員協議会ごとに民生委員活動を推進するための連絡、相互の共励及び知識、技術の研究機関を持ち、四ブロックに分け、四十五年の研修会においては、地域における老人福祉活動の進め方、健全な児童を生み育てるための地域活動のあり方、低所得者の福祉対策の効果的進め方等の研究協議が行われた。