札幌市中央図書館/新札幌市史デジタルアーカイブ

新札幌市史 第5巻 通史5上

第九編 大都市への成長

第七章 高度成長期の市民生活と社会運動の展開

第四節 社会福祉

二 低所得者福祉

 敗戦直後から約一〇年間の生活保護による扶助の実態を示したのが表19である。総数人員においては二十六年に急激に増加しているのが読みとれるが、前年に比較し生活、教育、住宅、医療扶助どれをとっても増加している。戦災者、引揚者復員者等による大幅な人口増、それに伴う生活資金、教育資金、住宅資金、結核患者のピーク時と重なって医療費の増加も考えられる。さらに費目別で見ていくと、生活扶助の全体に占める割合は、二十二年から二十六年頃まで五〇~七〇パーセント台を保ち、その後次第に下降線をたどってゆく。それに対して医療扶助は、二十二年に二〇パーセント台だったのが翌二十三年以降三十年を過ぎても五〇~六〇パーセントと、生活扶助よりも高い推移で経過してゆく。これは全国的傾向でもある。
表-19 生活保護法による扶助(昭22~33年)
種別
年 
総数生活扶助教育扶助住宅扶助医療扶助その他
人員金額人員金額人員金額人員金額人員金額人員金額

昭22

7,599

12,735,621

5,248

9,680,506





1,987

2,791,688

364

263,427
235,74228,395,4043,5349,341,8192,03418,906,343174147,242
244,50839,279,9753,37221,123,69993417,927,476202228,800
258,37346,873,6874,49823,078,3351,0191,003,2021,739185,2241,05622,523,1766183,750
2668,77369,841,70233,55636,466,9358,2512,659,75817,856540,1279,03029,943,882126231,000
2711,371108,342,4445,76747,467,9461,5723,801,7152,2482,082,6151,68354,769,12591221,039
28126,944161,990,25057,95562,364,39816,4166,011,30133,2134,801,65519,23588,485,872125327,023
29176,253265,820,17076,26099,571,87922,3337,701,41352,3579,920,42925,152148,139,198152397,251
30253,958369,031,931111,598168,990,08332,58512,127,32578,38613,398,59031,227173,907,994162607,939
31232,490416,564,613101,756156,357,89532,80610,978,65471,56611,815,05631,246226,832,84411610,580,164
32198,995411,556,00097,550155,160,00034,1369,554,00064,14012,088,00030,472223,665,00012211,089,000
33232,424433,011,57196,747136,819,67332,44514,652,18869,31712,582,99233,712228,526,64120341,430,077
『事務概況』各年より作成。各年とも1~12月までの計。なお,『市史統計編』のこの間掲載は月平均のため,新たに作成。
その他は,出産・生業・葬祭扶助,施設事務費,冬季薪炭料を含む。

 さらに今度は表20によって、三十五~四十六年度の約一〇年間を見てみると、どうだろうか。三十五年度を一〇〇とした場合、生活扶助は約一・五倍、住宅扶助は一・七倍、教育扶助は〇・八九倍、医療扶助は二・三五倍といった具合に推移する。このうち生活扶助が三十九年にピークを迎えたのは、炭鉱の閉山や離農による札幌市への移動と関係があるであろう。住宅扶助・教育扶助のピークも同時期である。それに比較し医療扶助については増加の一途をたどる。その理由の一つには、医療機関の札幌一極集中化、二つには、高齢者人口の札幌市への移動が考えられる。四十七年度の『厚生事業の概要』の保護状況の説明によれば、被保護世帯の内容として、相対的に老人、母子、身障世帯等社会的ハンディキャップを負った世帯の増加が顕著であること、医療費の支払い困難から保護申請に至るケースが多く、被保護人員の六三パーセント近くが医療扶助を受けており、生活保護法における医療扶助の占める位置が重要なものとなっている、とある。
   表-20 生活保護人員の扶助別推移(昭和35~46年)(年度別月平均)
年度被保護人員(A)扶助別人員B/AC/A
生活扶助住宅扶助教育扶助医療扶助その他の扶助
人員(B)比率人員比率人員比率人員(C)比率人員比率
 
35

11,013

9,306
%
100.0

6,827
%
100.0

3,138
%
100.0

4,246
%
100.0

25
%
100.0
%
84.5
%
38.5
3612,17210,481112.67,924116.03,497111.45,075119.534136.086.141.6
3713,84212,276131.99,221135.03,882123.75,420127.632128.088.639.1
3815,25113,791148.110,590155.14,133131.75,680133.748192.091.437.2
3915,52913,868149.011,378166.64,003127.55,519129.925100.089.335.5
4014,70213,005139.710,823158.53,444109.76,341149.32184.088.443.1
4114,14312,360132.810,566154.73,09396.87,217169.975300.087.351.0
4214,70912,814137.711,616170.12,95994.27,702181.358232.087.152.3
4315,74313,645146.611,686171.12,95594.18,521200.654216.086.654.1
4416,62014,517155.912,463182.52,96794.59,130215.075300.087.354.9
4516,79714,260153.212,416181.82,87591.69,501223.755220.087.356.5
4616,85014,066151.111,960175.12,79789.110,003235.547188.083.459.3
『社会福祉事業の概要』(昭39~45 札幌市),『厚生事業の概要』(昭47 札幌市)より作成。
その他の扶助とは,出産・生業・葬祭扶助,冬期薪炭費,収容事務費である。