札幌市中央図書館/新札幌市史デジタルアーカイブ

新札幌市史 第5巻 通史5上

第九編 大都市への成長

第七章 高度成長期の市民生活と社会運動の展開

第二節 労働運動の高揚と組織の拡大

二 高度経済成長下の労働運動

 昭和三十五年以降、エネルギー政策の転換で石炭産業不況は深刻化し、また、好不況産業の格差が拡大したが、全般的には三十三年下期から三十六年にかけて、生産性向上運動と若年労働者の大量雇用が本格化した。三十五年には定山渓鉄道労組も初めて三〇分のストに入るなど、安保反対闘争とからめた強力な労働攻勢が展開された。三十六年春闘でも、北海道放送労組が四月に五波にわたる八時間から二四時間波状スト、五月には豊羽鉱山労組が二四時間から四八時間ストなどを決行した。他の市内中小民間の組織化もさらに進み、中小企業の若年労働力不足も重なって初任給の底上げが行われ、春季・秋季の賃金、夏季・年末手当ともに大きく改善された。
 総評・中立労連提唱の一律五〇〇〇円賃上げ、合理化反対、労働時間短縮を中心課題に据えた三十七年春闘では、北電労のほか、北海道ガス労組の無期限ストに北海道ガス臨時工・請負集金人労組も同調するなど、全道労協札幌地区労加盟中小組合の実力行使が拡大した。北海道放送労組は、同年も三月二十五日第五波ストでラジオ部門でピケ戦術に入り、二十八日第一一波の全面ピケ以降テレビ番組が混乱するなど強力な運動を展開した。さらに一三単組加盟の全自交札幌連合会は、三月二十日から二波の二時間統一ストを実施後、四月から各社労使間交渉の中で一一組合統一三時間ストや四時間波状ストを継続し、まこと交通労組が二四時間無期限スト、札自交富士交通支部も無期限ストなどに入り、五月三日以降「安全運転」闘争に入った札幌交通争議などでは会社側のロックアウトその他で争議が長期化した(表4)。第一小型ハイヤー争議では第二組合との間で傷害事件も発生し、懲戒解雇、救済申立、ロックアウト、仮処分申請などで事態が紛糾し、全道労協の支援などで一応解決するのは一年半後のことである(労働争議と事件の概観)。
表-4 昭和37年春闘全自交札幌連合会賃上げ要求解決状況

種別

組合名
組合員数解決期日主な解決条件
大和交通労働組合70 5月 1日賃上げ平均2,560円
第一ハイヤー労働組合120  (昭和37年中未解決)
光星ハイヤー労働組合39 5月12日基本給賃上げ4,000円
昭和交通労働組合95 5月 2日賃上げ平均2,500円
相互交通労働組合21 5月 2日①基本給賃上げ1,500円
②最低保障月額10,000円
札幌交通労働組合45 6月20日賃上げ平均2,000円
(固定給平均23,600円)
まことハイヤー労働組合41 5月22日①賃上げ5,000~7,000円
②最低保障月額21,000円
札幌自交中央交通支部2912月30日賃上げ1,500円等7項目
札幌自交富士交通支部19 6月 2日賃上げ2,000円十家族手当
札幌自交北日本交通支部6 7月21日賃上げ平均3,000円
興亜タクシー労働組合12 4月30日①賃上げ平均2,500円
②最低保障月額23,000円
帝産自動車労働組合120 5月27日賃上げ平均2,050円
北都ハイヤー労働組合70 5月 4日賃上げ平均2,200円
『資料北海道労働運動史』より作成。
組合員数は昭和37年2月5日,要求書提出時の人員。