札幌市中央図書館/新札幌市史デジタルアーカイブ

新札幌市史 第5巻 通史5上

第九編 大都市への成長

第六章 戦後の市民生活と社会運動の展開

第六節 占領期の衛生と医療

三 医療機関・団体の再編成

各種病院の動向

 市は、昭和十九年に市立診療所を健兵健民運動推進の思想と目的により、健民病院と改称した(公報 昭20・12・10)。同診療所(前身は明32設立の旧救護所)は、設立の依拠が「行旅病人及行旅死亡人の取扱法」(明32)と「救護法」(昭4)にあったため、戦後も民生部衛生課に属し、二十年現在内科医師二人・薬剤師一人、看護婦を配置、五〇床に増床したが、患者は①市内住民で「医薬の資に乏しい」人、②行旅病者、③一般外来患者とし、往診や健康相談も行った(昭20事務)。二十年に患者数(入院・外来)が最多の三万八〇〇〇人となって以降は減少し、二十五年は入院患者(一万九〇〇〇人)の八割が行旅病者で、消化器・呼吸器疾患が多く、敗戦直後から数年は無縁故者や都市札幌に集中する浮浪者などの収容・治療が大半を占め、行旅病死亡者も二十四年には年間三七人に及んだ。二十七年三月には建物や設備の老朽化に加え、事業を新築移転の国立札幌病院へ委託することになり、閉院した(昭27事務)。