札幌市中央図書館/新札幌市史デジタルアーカイブ

新札幌市史 第5巻 通史5上

第九編 大都市への成長

第五章 高度成長期の産業発展

第八節 農業

二 高度成長期の農業(農業構造と農業生産)

 札幌市における蔬菜栽培の発展を支えた要因は二つあった。一つは、経営耕地面積が零細化していく中で、土地生産性の高い作物が求められたことである。農林省札幌統計事務所の昭和四十二年の調査によれば、「単位作付面積に対する生産額は、耕種部門総合では十アール当たり六万八〇〇〇円であったのに対して、蔬菜部門のみでは、十二万八〇〇〇円であった」(札幌百年のあゆみ)という。もう一つは、市場条件であり、鮮度の高さを要求される蔬菜に対する消費需要が、膨張を続ける札幌市では巨大なものとなった。
 経営耕地面積の減少が続く中で、蔬菜の作付面積も三十九年をピークとして、その後は漸減していくが、それでも四十七年の作付面積は、ピーク時の一〇・九パーセント減であるから、減少の度合は小さく、その分作付面積全体に占める割合は大きくなった。
 他方で、蔬菜の粗生産額は四十五年に史上最大となったが、その後もほぼその水準を確保していた。
 表77は、蔬菜類の作目別作付面積の推移を示したものである。これにもとづき、作目別に作付面積の変化を検討してみたが、完全に本州市場を対象とした輸送園芸である、北札幌・篠路地区の玉ねぎと、主産地として確立されていた手稲山口地区のすいかを別格として、他の作目は、①作付面積はせいぜい一〇〇~一五〇ヘクタールであったこと、②その範囲内で、その時々の需要度と収益性に対応して作目を選択するために、個々の作目の作付面積の変動が激しかったこと、③数多くの蔬菜が、ほとんどすべての地区にいわば錯綜する形で生産されていたこと、④札幌市による蔬菜園芸振興策にも助けられて、資本と労働力を集約した温室・ビニールハウス・ビニールトンネルなどの施設導入による、促抑制栽培が次第に普及しつつあったことなどの特徴をもっていた(札幌市の農業各年)。
表-77 作目別作付面積の推移(蔬菜類)(単位:ha)
年度果菜類根菜類葉茎菜類
きゅうりなすトマトかぼちゃすいかいちごにんじんだいこんごぼうキャベツはくさいつけなほうれん草ねぎ玉ねぎ
昭301,6671981,42247
 362,55611416997169727117742910596102522353827
 372,7721141729715070771884061081031165323911,004
 382,8431291869514474721813981071081245224641,159
 392,92114315710011110158163366881221544424471,243
 402,8441181291009510554186306741271474135461,281
 412,8821331241069811242199300741141514436491,300
 422,8261311261169512251208284721411684842531,310
 432,8251341201169212843210282144161551,350
 442,7831331201158214637200268711451594843561,360
 452,7911311181155815838188265145149561,370
 462,7481161061084820033152247136153591,390
 472,602124941064819622131222109120501,380
『札幌市の農業』各年による。