札幌市中央図書館/新札幌市史デジタルアーカイブ

新札幌市史 第5巻 通史5上

第九編 大都市への成長

第五章 高度成長期の産業発展

第六節 札幌の鉱業

二 豊羽鉱山の再開と発展

 昭和二十五年九月三十日、先発隊一〇人が廃嘘と化した元山に入山し、再開の準備が整えられた。翌二十六年二月四日、水没した坑内から待望の排水が開始された。毎分八立方メートルの排水であったが、上水道への悪影響が心配されて翌三月、札幌市水道局から揚水制限を受け、毎分一立方メートルとなった。同年九月、一五〇メートル坑道までの排水と取り明けが完了し、採掘が可能となった。それ以下の坑道の排水も翌二十七年十二月には完了した。
 こうして採鉱が再開されたが、まず最初に出鉱されたのは、水没前に貯蔵されていた九〇メートル坑と一二〇メートル坑の残存鉱石であった。二十六年十月、出鉱が開始され、四カ月間で残存鉱石約三万トンのうち約五〇〇〇トンが出荷された。これらの鉱石は細倉鉱山(宮城県)に送られた。
 二十六年の融雪期から開始された元山道路、索道、専用鉄道などの補修工事も完了し、十月初めには索道輸送・鉄道輸送が再開された。石山選鉱場の復旧工事も同年十二月にはあらかた終了し、翌二十七年一月下旬から本格的に操業が再開された。それとともに、当初の目的のひとつであった硫化精鉱(硫安原料)の東洋高圧砂川工場への供給が実現されたのである。