札幌市中央図書館/新札幌市史デジタルアーカイブ

新札幌市史 第5巻 通史5上

第九編 大都市への成長

第五章 高度成長期の産業発展

第五節 観光産業と飲食業の伸展

一 観光産業の整備拡充

 二十一年六月、札幌祭の神輿渡御が三年ぶりに行われた(北海新報 昭22・6・10)。二十三年二月には、十七年以降途絶えていた中島公園氷上カーニバルが復活し、同年、小学校・新制中学校修学旅行が再開している(道新 昭23・5・26)。修学旅行は五、六月と九、十月に集中し、街は学生であふれかえったというが(道新 昭35・5・25)、これら年々増加する修学旅行に対して、札観協は引率の指導者に向けたテキスト『修学旅行の友』(昭25・7)を作製し、市交通局では『札幌市案内 修学旅行用』(昭28)を発行して便宜をはかった。また、修学旅行をねらった悪質な旅行業者に対しては、札幌市修学旅行団誘致接遇協議会(昭27・6)、財団法人北海道教育観光公社(昭29・3)、日本修学旅行協会北海道支部(昭36・5)等が対策を講じた。三十八年には市内二〇の旅館が、修学旅行生の荷物を軽減するために、米の持参をとりやめている。
 二十三年十月、札幌市は内閣観光審議会から国際観光都市に選定された(観光行政百年と観光政策審議会三十年の歩み)。同年九月『北海道総合開発計画書』で、「今後は特に外国観光客を対象とすべきであるから観光ルートの快適性の保持と近接旅館の新設とが要望される」と、国際化を視野に入れた観光理念が明らかにされ、同年十二月札幌市臨時振興専門委員会からは、観光施設の交通機関、各種施設の完備、観光産業の振興等、具体的な方策が示された。
 二十四年七月に行われた市創建八〇周年自治五〇年記念事業は、市街地の美化および整備に拍車をかけた。記念式典の会場となった大通が整備されたのに続いて、二十六年には大通の西三丁目の西側と四、五丁目が接収解除となり、整備五カ年計画が立てられた。整備が進むにつれて、大通は雪まつり(昭25・2)をはじめ、さっぽろライラック祭(昭34・5 第五回からさっぽろライラックまつりと改称)、スズランまつり(昭35・6)、さっぽろ菊花展(昭38・10 第五回からさっぽろ菊まつりと改称)等、各種行事の会場に使われるようになった。また、四十二年八月には、露店のトウキビ屋台に替わって、札観協によるトウキビボックスが開店している。
 二十九年七月十七日から、中島公園を中心に第一回さっぽろ夏まつりが開催された。これは市と札観協が、雪まつりと並ぶ年中行事を作ろうと、従来七、八月に各商社や官庁が行っていた夏の行事を一本化したものであるが、三十二年からは主要会場を大通に移している。三十年からは狸小路商店街の狸まつり(昭29開始)が参加し、四十年には、この年誕生したすすきのまつりと定山渓温泉かっぱまつりが加わり、大通・狸小路すすきの・定山渓の四会場で開催されるようになった(さっぽろ夏まつり三十年)。
 一方、大通・中島公園と並んで円山公園の整備も進んだ。二十五年四月円山総合運動場が接収解除となり、翌二十六年五月円山児童遊園が開園、同九月円山動物園と改称している(表29)。桜の名所として親しまれていた札幌神社の境内では、二十五年五月第一回さくらパレードが開催され、仮装行列、演芸大会、花火大会等が行われた。また、日米陸上大会(昭26・8)に向けて円山グラウンド、スポーツハウスが建設されるなど、円山公園一帯は行楽とスポーツの基地として親しまれるようになった。
表-29 円山動物園入園者数
大人小人
人員(人)金額(円)人員(人)金額(円)人員(人)金額(円)
昭27219,1883,294122,3802,39196,808903
 28466,2337,127274,9435,326191,2901,801
 29362,7805,651225,8364,360136,9441,291
 30407,8438,472242,3406,958165,5031,514
 31536,23611,483336,1599,638200,0771,845
 32423,76012,521273,82610,458149,9342,063
 33439,53112,424263,29210,068176,2392,356
 34442,09715,286265,38210,156176,7132,359
 35493,09617,508305,22811,672187,8682,489
 36529,25515,997360,91913,769186,3362,228
 37604,76218,726430,21616,415174,5462,316
 38629,06019,803460,32117,574168,7392,230
 39634,42120,161471,39118,007163,0302,154
 40806,28625,455583,92722,497222,3592,958
 41664,381516,414147,967
 42635,960513,932122,028
 43680,871554,763126,108
 44612,125494,593117,532
 45675,333543,374131,959
 46619,408502,544116,864
 47662,844536,529126,315
『市勢要覧』より作成。
本園は,昭和26年5月開園。昭和27年の金額は7月より有料となったため,7月から10月までの分である。各年11月から翌3月までは閉館している。

 このように施設の整備が進む中で、二十六年五月市営定期観光バスの運行が開始された。開設当時は、大通を基点に時計台・北海道大学・同附属植物園・円山公園札幌神社・大倉シャンツェ・狸小路すすきの繁華街・中島公園等を約二時間余で回っており(道新 昭26・5・22)、二十六年に七七二〇人だった利用者は、二十九年には二万四三九七人と三倍にもおよんだ。三十三年の北海道博覧会(以下、道博と略)の際には、市交通局のほか、定鉄(定山渓鉄道)バス、中央バス、札幌観光バス会社四社が集客にしのぎを削り、その後も路線の拡充や増車がはかられたほか、夜の観光バス(昭33)、冬の定期観光バス(昭33)、産業コース(昭37)等の多彩なプランが新設された。