札幌市中央図書館/新札幌市史デジタルアーカイブ

新札幌市史 第5巻 通史5上

第九編 大都市への成長

第五章 高度成長期の産業発展

第五節 観光産業と飲食業の伸展

一 観光産業の整備拡充

 昭和十一年五月十五日、札幌観光協会(以下、札観協と略)が設立された。「本会ハ札幌市ヲ中心トスル道内観光地及物産ノ紹介、宣伝並観光ノ利便ヲ図ルヲ以テ目的」とし、十年十一月四日から札幌市役所経済課商工係で創立準備が進められた。同会は五年国際観光局の設置以来、各地に叢生した観光協会の最後尾に位置づくものであり、初代会長に橋本正治市長が就任し、事務局は経済課内に置かれた(高木博志 国際観光と札幌観光協会の成立―日中戦争前後の観光ブーム)。
 札観協は十一年七月札幌駅前に観光案内所を設けるとともに、観光案内板を立て、リーフレット・パンフレット・写真グラフ・絵葉書等を発行して宣伝活動を行った。また、創立以来、春秋には料飲・旅館関係者を対象にサービス講習会を開催し、接遇の向上にも努めた。戦時の食糧難には「札幌健歩会」(昭16「札幌エゾヌプリ会」として発足、昭21「札幌山岳倶楽部」に改組)の幹事として野草採りを兼ねたハイキングを開催し、二十年四月二十三日には観光案内所に戦災疎開相談所を設けたほか、慰問用の絵葉書を調整するなどして戦時下にも活動を続けた(観光札幌―札幌観光協会30年記念誌)。戦後は二十五年六月十七日駅前の市交通局出張所札幌観光案内所を再開し、二十七年事務局を産業会館の二階へと移している。
 二十一年四月二十五日北海道観光連盟(以下、道観連と略)が設立され、観光資源の調査・開発に取組んだ。事務局は、設立当初は日本交通公社札幌支社の文化課に置かれたが、二十四年十月に北海道商工部商務課、二十七年に産業会館へと移り、三十七年には社団法人として組織の充実強化をはかっている。