札幌市中央図書館/新札幌市史デジタルアーカイブ

新札幌市史 第5巻 通史5上

第九編 大都市への成長

第五章 高度成長期の産業発展

第二節 土木・建設業

一 土木・建設業界

 鹿島組は大正十五年に札幌出張所を開設し、昭和十四年に同営業所、十六年には同支店に昇格させ、戦後は二十二年に鹿島建設(株)と社名を変更した。清水組は、昭和二年に札幌出張所を置き、十四年にこれを北海道支店とし、戦後には二十三年に清水建設(株)と社名を変更した。また、大倉組商会は、明治十九年に札幌支店を置き、その後は大倉土木株式会社(大13改称)が札幌出張所を設置(昭4)、戦後は二十一年に札幌支店と改称し、大倉土木も大成建設(株)と名称を変更した。これらの三社は、明治期から北海道開拓に関わった本州の建設会社である。これらの会社が札幌市域で行った主な工事を表14にまとめた。
表-14 本州建設会社による工事
鹿島建設清水建設大成建設
昭31東邦生命ビル
三井ビル(五番館別館)
札幌東映劇場山一証券札幌支店
 32札石ビル,越山ビル,日本清酒瓶詰工場札幌トヨタ自動車,大和銀行札幌支店,雄別興産大通ビル
 33北海道自治会館藻岩観光道路,札幌ゴルフクラブハウス
 34五番舘北海道新聞社増築,日本清酒札幌工場,宝酒造札幌工場毎日新聞社北海道総局
 35味のセンタービル,電通北海道支社,東芝札幌分工場増築東芝札幌倉庫,千代田生命札幌支社
 36日の出ビル第百生命札幌支社,興和ビル北海道拓殖銀行本店有楽ビル,東洋木材手稲工場,北星学園中高部
 37狸小路ビル
章月グランドホテル着工
寿みそ札幌工場,北酒連大井証券ビル
 38三井生命札幌支社,日本通運札幌ビル,北海道新聞日本麦酒製麦工場
 39札幌開発総合庁舎,聯合紙器札幌工場,東洋陶器札幌ビルホテル三愛,札幌ロイヤルホテル,創価学会北海道本部
 40三井ビル増築北海道市町村共済会館,住友信託ビル,三共札幌支店第一札幌ビル,北大工学部,定山渓カントリークラブ
 41北陸銀行支店,札幌東映ボウリングセンター,北大応用電気研究所薄野四丁目ビル,サッポロビール第二工場,札幌富士ビル
 42グランドホテル
第一地区市街地改造ビル
中央バスターミナル,共済ビル
田畑病院,丸善札幌支店増築
ほくさんビル,阿部ビル,北海道交通本社
 43札幌第二合同庁舎北海道テレビ放送北海道庁庁舎,札幌北光教会北海道電力本社増築
 44第三地区市街地改造ビル札幌SDビル(第一銀行札幌支店),第一製薬札幌支店旭ダウ札幌工場
 45真駒内スピードスケート場
第四市街地改造ビル
敷島ビル,吉忠札幌ビル,三甲札幌工場,三越百貨店増改築東8丁目立体交差,すすきのビル
 46札幌テレビ放送会館,厚生年金会館,住友ビル,三越百貨店増改築,四丁目プラザ共済ハウス,真駒内屋内スケート競技場,北海道文化放送演奏所,大通地下街・地下駐車場大倉山ジャンプ競技場,明治生命札幌支社,大通地下街
 47札幌三井ビル別館札幌パワーボウル,渋沢倉庫,岡村製作所札幌配送センター豊平峡ダム,札幌第二有楽ビル
札幌鹿栄会(鹿島建設札幌支店内)『三十年のあゆみ』昭和60年,清水建設株式会社札幌支店『支店開設50年北海道支店のあゆみ』平成元年,大成建設株式会社札幌支店『北海道とともに110年―大成建設北海道110年の歩み―』平成2年
地下鉄工事は本文で別にふれているので除いた。

 一瞥すると公共事業や公共施設が比較的少なく、民間企業の主要なビルの名前が数多く見受けられる。次項で詳述する札幌のビルラッシュは、地元建設会社ではなく、主としてこれら本州建設会社により演出されたものであることがわかる。
 最後に地下鉄南北線工事についてふれておこう。地下鉄工事は、地下部分を一三工区に分けて四十四年に入札が行われた。工区ごとの担当を北から順にみると、北二十四条工区藤田組、北十八条工区地崎組、北十五条工区西松建設、北十二条工区前田建設工業、国鉄委託工区鉄建建設、駅前通工区大林組、大通工区鹿島建設、薄野工区佐藤工業、公園北工区飛鳥建設、公園工区清水建設、豊平川工区熊谷組、中の島工区錢高組、平岸工区大成建設である(財界さっぽろ 昭45・2)。豊平川工区はシールド工法で、他はほとんどオープンカット工法で行われた(北海道建設業協会八十年史)。これらの企業のうち北海道の地元企業は地崎組だけで他はすべて本州の大手企業であった。

写真-3 地下鉄南北線工事中