札幌市中央図書館/新札幌市史デジタルアーカイブ

新札幌市史 第5巻 通史5上

第九編 大都市への成長

第五章 高度成長期の産業発展

第二節 土木・建設業

一 土木・建設業界

 札幌に本社を置く土木・建設企業は数多いが、その一つに伊藤組土建(株)がある。伊藤組は、初代伊藤亀太郎が明治期から北海道・樺太の官庁、学校など公共施設建築を数多く手がけてきた。戦後は、伊藤組土建(株)となり(昭21・2)、札幌、北海道の建設業界の中心的存在であった。昭和二十・三十年代に伊藤組が手がけた札幌市域の主な工事をみると、真駒内米軍キャンプ(昭21・2~23・11)、警察予備隊第二管区総監部施設(藻岩下、昭26)、札幌駅改築(昭26・9~33・3)、第二札幌電話局(昭32・7竣工)、サッポロビール狸小路ビヤホール(昭35・5竣工)、雪印スノー会館(昭36・7竣工)、北海道札幌北高校(昭28~)、北海道札幌西高校(昭37・2竣工)、北海道札幌南高校(昭39・3竣工)、伊藤ビル(昭38・12竣工)などがある。
 昭和四十年代には、拓銀東ビル(昭40・10竣工)、北海道建設会館(昭41・5竣工)、北海道庁旧本庁舎復原改修(現在の北海道立文書館、昭43・10完成)、開道百年記念塔(昭45・9完成)などがある。また、伊藤組と大成建設との共同企業体(ジョイント ヴェンチャー、JV)として北海道庁新庁舎(昭43・8落成)があり、同じく伊藤組と鹿島建設、岩倉組土建との共同企業体として真駒内スピードスケート競技場がある(伊藤組百年史)。
 伊藤組と並び明治期から北海道開拓で活躍していた地崎組は、昭和十八年に(株)地崎組となり、戦後も道内外の土木工事を多数手がけている。ただ、伊藤組と違い建築工事よりも土木工事が多く、かつ二十八年十月に東京支店を開設すると、本州の土木工事が増えている。札幌市域の主な工事は、真駒内下水処理場(昭36・8)、西創成小学校改築(昭36・11)、新川下水処理場(昭37・4竣工)、札幌女子高校(昭38・9竣工)、希望学園第一高校(昭40・5竣工)などがあり、大成建設との共同企業体として豊平峡ダム(昭43・5~47・10)がある(地崎工業百年史)。
 札幌村で岩田徳治が創業した岩田組は、戦後株式会社となり、二十四年五月に岩田建設(株)と名称を変更した。炭鉱関係の仕事を多く手がけていたが、戦後の札幌の膨張とともに事業を広げていった。札幌市域の主な工事は、北海道学芸大学付属小中学校(昭25・10落成)、警察予備隊第二管区総監部、札幌部隊営舎(昭26)、幌平橋架け換え(昭29・5完成)、中島スポーツセンター(昭29・7完成)、札幌市交通局庁舎(現在の札幌市教育委員会、昭33・6完成)、札幌市街地住宅(通称薄野ゼロ番地ビル、昭33・11完成)、狸小路アーケード(昭33・12落成)、石狩陸橋(北五条跨線橋、昭31・12~36・9)、北海道神宮増改築(昭39・9完成)、北海道神宮大鳥居(昭43)などがある(岩田建設60年小史)。この大鳥居は厚さ六ミリの耐候性鋼板であり、中は空洞で(株)釧路製作所が製作した(釧路製作所40年のあゆみ)。また、岩田建設と大林組、地崎組との共同企業体として札幌市庁舎(昭44・4~46・11)がある。先の北海道庁新庁舎に次ぐ二番目の共同企業体(JV)であり、その後は大型工事(特に公共施設)は共同企業体(JV)が一般的になる。