札幌市中央図書館/新札幌市史デジタルアーカイブ

新札幌市史 第5巻 通史5上

第九編 大都市への成長

第四章 戦後改革と経済

第三節 商業の再生

二 流通統制の解除

 ではこの時期の札幌市の物価動向にはどのような特徴がみられるのだろうか。札幌の物価は、総理府統計局が昭和二十四年四~六月にかけて行った調査によれば、東京を一〇〇とすると札幌は九〇・一(道新 昭24・10・9)程度だが、主要生活必需品のヤミ価格の平均は、東京を一〇〇とすると札幌は九七~九九で、さほどの差はない(共同通信社による調査、道新 昭24・11・23、昭25・2・22)。また札幌の物価下落は、燃料費が一定期間かかること、購買力の減退が他都市と比べれば少ないことなどから、東京や大阪から数カ月遅れるといわれており(道新 昭25・7・2夕)、市内の物価(生活必需品六五品目)は、二十二年一月を一〇〇とすると、二十四年一月が三三八・六(札幌商工会議所調査、道新 昭25・1・12)、二十五年一月が二八六、十一月が二三二(道新 昭25・12・9)と、はっきりした下落傾向がうかがえる。
 一方、流通統制の解除とともに二十四、五年ごろから問題となってくるのは、市内地域間の物価格差の問題である。二十五年六月中旬に札幌市役所が行った市内八カ所の小売価格の調査では、住宅街の北円山地区では食肉類が一番安く、市の中心部や豊水地区は一般的に物価高、一方工業地帯である北光、東北及び豊平地区では、平均して諸物価が安いことが明らかになった(表18)(道新 昭25・7・6)。ただし、中央地区は物価が高い反面、果実などのたたき売りなどによるけた外れの安値もある、一方山鼻、円山の住宅地域は出荷地を抱えている関係から特に野菜が安いが、商店街からはずれると魚類などは意外に高値になる、また豊平地区では商店街のなかで価格競争が激しいなど、各地区にさまざまな特色がみられた(道新 昭25・2・12)。
表-18 札幌市内の小売価格(昭和25年)    (単位:円)
品目北光東北桑園円山豊平幌西本府豊水
【魚介類】
真ガレイ2015282028(不明)3330
さけ9056757077506560
ほっけ1915151715151015
たこ2020191018153525
【食肉類】
牛肉ロース150150180130140180170160
豚肉ロース120110140100120120120130
鶏肉(並)170160160160150160160160
【野菜類】
馬鈴薯4071577252865080
内地物キャベツ3510141089915
にんじん458555510
玉葱765786107
【乾物類】
煮干し8070807085608580
カツオ節(並)300250250250250300200270
わかめ55454555
【一般食品】
豆腐1515151514151515
たくあん151210101010129
鶏卵5667707070757277
さつまあげ2529202020(不明)4545
【果実類】
夏みかん1520222516181520
りんご7107109799
なし2520203020202025
【燃料類】
木炭(なら)200190190200185210210200
木炭(雑)185180170180160180175150
『道新』(昭25.7.6)より作成。
魚介類,食肉類,乾物類は100匁あたり,野菜類は馬鈴薯が1貫目あたり,それ以外は100匁あたり,一般食品は豆腐が一丁あたり,それ以外は100匁あたり,果実類は夏ミカン・なしは1個100匁あたり,リンゴは1個30匁あたり,燃料類は15キロ1俵あたりの値段を示す。なお,不明は記事に記載のなかったもの。