札幌市中央図書館/新札幌市史デジタルアーカイブ

新札幌市史 第5巻 通史5上

第九編 大都市への成長

第四章 戦後改革と経済

第二節 戦後金融改革と札幌の金融

二 朝鮮戦争と金融整備

 拓銀は二十五年四月に普銀(地銀)に転換したが、その後三十年十一月に都銀に加入するまでの預貸状況等は表14のようである。まず預金は二十五年三月末に約三一一億円であったが、三十一年三月末には約九〇四億円と増大した。しかし、平均増加率は一九・四パーセントであり、これは全国銀行(二八・五パーセント)、都銀(二八・一パーセント)、道内銀行(二一・八パーセント)の三者よりも低いものであった。そのためシェアも対三者すべてにおいて低下した。特に道内の銀行に対するシェアの低下が六三・三パーセントから五一・九パーセントへと大きい。貸出は、この間、約二二二億円から約六七三億円へと増加しているが、預金同様、平均増加率もシェアも上記対三者すべてにおいて低下している。特に、道内の銀行に対しては六五・五パーセントから四五・五パーセントへとそのシェアを大きく後退させた。この原因は、「北海道経済の停滞に起因する道内の銀行預金の伸びの鈍化」、「道内における他行の攻勢が激しかったこと」、「債券発行業務の打ち切りの影響」等であった。とはいえ当期純益は二十五年三月末の約九五〇〇万円から三十一年三月末には四億一三〇〇万円へと増大した(北海道拓殖銀行史)。
表-14 北海道拓殖銀行の預貸状況  (単位:億円)
決算年月預金貸出金預貸率
割引手形勘定貸付金勘定
昭25.33113918322271.4
 26.33627324231587.0
 27.346313728742491.6
 28.355119434153597.1
 29.362922936058993.6
 30.371923638462086.2
 31.390423044367374.4
『北海道拓殖銀行史』588-90,596-8頁の「貸借対照表」より作成。

 預貸率は二十五年三月の七一・四パーセントから次第に上昇し、二十八年三月には九七・一パーセントというほぼオーバーローンに近い状況を示している。
 資本金は二十五年六月、優先株によって七億円増資し一二億円となった。その後、優先株を消却しながら次第に資本金を減少させたが、二十八年四月、増資をおこない一五億二〇〇〇万円となった。しかしその後も優先株消却を続け、三十年十二月には一二億六四〇〇万円となっている。
 店舗数は二十五年三月の一四五(うち道内一四一)から三十年三月の一一二(うち道内九九)と減少したが、道外の店舗は四から一三に増加した。また同期間の従業員数は三六〇〇人から四〇一九人へと増加している。
 二十七年十一月の第二二号北海道拓殖債券を最後に債券発行業務が打ち切られたが、既発行の計四六億円にのぼる債券の償還が課題となった。これは一〇数店舗の廃止に相当する厳しいものであったが、三十年九月末における全国預貸ランク等は都市銀行に伍(ご)するものであり、三十年十一月、既発行債券の全額償還が終わるのを待って都市銀行に加入した(日本経済新聞 昭30・11・17、北海道拓殖銀行史)。