札幌市中央図書館/新札幌市史デジタルアーカイブ

新札幌市史 第5巻 通史5上

第九編 大都市への成長

第四章 戦後改革と経済

第一節 戦後改革から戦後復興へ -工業を中心に-

一 工業の復興

 工業出荷額を部門別にまとめた表3を検討しよう。二十四年についてみると、最大の部門は食料品(三七・〇パーセント)であり、次いで印刷・出版(一三・〇パーセント)、金属・機械類(第一次金属、金属製品、機械、電気機械器具、輸送用機械器具、精密医理機械器具を合わせたもの。一三・〇パーセント)、紡績(一二・七パーセント)、木材・木製品(六・〇パーセント)、化学(五・八パーセント)が続く。基本的に戦前の分布と共通している。
表-3 工業出荷額                (単位:百万円)
昭和24年25年26年27年28年29年30年
食料品1,96337.0%3,18736.0%5,17637.8%5,89438.1%6,57637.1%9,66443.3%10,99044.9%
紡績67412.7%6927.8%1,1038.1%1,1507.4%1,4748.3%1,6097.2%1,8607.6%
衣服・身廻品460.9%1231.4%950.7%900.6%1270.7%1640.7%1440.6%
木材・木製品3196.0%6036.8%7945.8%9356.0%1,1456.5%1,5667.0%1,4866.1%
家具・装備品1863.5%2613.0%3772.8%4893.2%5603.2%7503.4%8603.5%
紙・類似品721.4%1371.5%2071.5%3472.2%3692.1%9744.4%1,4786.0%
印刷・出版68713.0%1,19613.5%2,18215.9%3,00219.4%3,62120.4%3,10413.9%3,07012.5%
化学工業3075.8%4134.7%3322.4%5583.6%3181.8%6703.0%7022.9%
石油・石炭製品230.4%280.3%210.2%410.3%450.3%470.2%210.1%
ゴム製品450.8%6317.1%8766.4%1941.3%6753.8%8753.9%7883.2%
皮革・皮革製品1031.9%1261.4%2361.7%1100.7%1520.9%2100.9%1370.6%
ガラス・土石製品1643.1%1852.1%2071.5%1931.2%1300.7%2361.1%2160.9%
第1次金属90.2%2452.8%4253.1%1190.8%1310.7%5312.4%2351.0%
金属製品1803.4%2823.2%8115.9%8465.5%1,0355.8%5332.4%1,1384.6%
機械3957.5%5596.3%5724.2%1,2468.1%1,0556.0%1,0504.7%8943.7%
電気機械器具290.5%110.1%410.3%300.2%810.5%210.1%670.3%
輸送用機械器具671.3%1221.4%1731.3%1370.9%1210.7%2010.9%2371.0%
精密医理機械器具30.1%70.1%130.1%230.1%290.2%210.1%200.1%
その他270.5%330.4%490.4%550.4%710.4%800.4%1450.6%
合計5,299100.0%8,841100.0%13,690100.0%15,459100.0%17,715100.0%22,306100.0%24,489100.0%
札幌市『札幌市統計書 昭和32年版』原資料は北海道文書統計課『北海道市町村勢要覧』,総務部庶務課
1.この表は,通商産業省所管の工業統計調査の結果。昭和24年のみ札幌市商工実態調査の結果を載せた。
2.昭和24,25年のみ製造小売,機械修理業を含む。
3.出荷額のなかには製造出荷額(内国消費税を含む)のほか,加工賃収入,修理料収入,くず・廃物の出荷額を含んでいる。
4.昭和29年,30年には琴似町,札幌村,篠路村の数値を含む。

 時系列的な推移をみると、食料品は、そのシェアを増加させ、三十年には四四・九パーセントとなる。印刷・出版は二十四年から二十八年まで著しい増加を続け、以後急減する。印刷・出版は、東京で行われていたものが、戦後札幌に疎開してきたという事情があり、東京の復興とともに札幌から去っていく企業が続出したためと思われる。金属・機械類は、二十四年の一三・〇パーセントから二十七年の一五・六パーセントまで伸び、以後比率を減少させ、三十年には一〇・七パーセントにまで後退する。紡績、化学は減少傾向を示し、木材・木製品、家具・装備品は停滞している。ところで、朝鮮戦争による北海道関係の特需は、判明するものでは船舶機械、鉄道用品、ドラム缶、有刺鉄線、亜麻糸、ベニヤ合板、枕木、ペニシリンなどであるが、総額は二十五年九月末の時点で二億四七四六万円、全国の約一パーセントにとどまっているという(道新 昭25・10・17)。