札幌市中央図書館/新札幌市史デジタルアーカイブ

新札幌市史 第5巻 通史5上

第九編 大都市への成長

第三章 札幌市の発展と街づくり

第一節 札幌の街づくり計画

一 『新規事業五年計画』による街づくり

 昭和二十四年シャウプ勧告に基づいて地方財政が安定するという見通しがついたので、荒廃していた施設の復旧をはかるために、「新規事業五年計画」を策定することになり、十月から各部局に具体的な計画を提出させてとりまとめた(昭24事務)。そして市では、この計画に基づいて昭和二十五年の予算案を策定し、昭和二十五年第二回定例市議会の予算案審議の中で合わせて審議された(昭25二定会議録)。
 この計画策定の観点は、第一に札幌市の現状と性格を考慮して、都市建設の一段階として教育、衛生、社会、治安、土木、水道、交通等の各部面にわたって作成し、そのため重点的な施策を進める計画ではないこと。第二に、札幌市を国際観光都市位置づけ、産業会館の設立、円山公園の整備その中でも動物園の設置、スポーツ施設の設営を採り上げ、その他は一般的な都市施設の整備拡充を企図したこと。第三に、人口増加の見通しとして、市域の拡大は白石村と札幌村の各一部の編入を考慮して、昭和二十五年度の人口二九万四七三七人、同二十六年度三〇万四三二三人、同二十七年度三一万四六〇六人、同二十八年度三二万四六九二人、同二十九年度三三万四七〇一人と想定したこと。第四に、既に継続事業として決定している事業などは除外し、新規事業と見なすべきものだけをあげたことなどである。五年間の総事業費は二〇億九一六八万円余を見込んでいた。
 市議会に予算審議の参考資料として提出された「新規事業五年計画」総括表から一部紹介しよう。舗装道路新設工事、下水道新設等のほか、現業所設営はモータープールおよび第四工事区設置、第一工事区移転である。大学石山通拡築工事は疎開跡地整備事業としてコンクリート側溝を施工し、水締マガダム舗装を行う。白石円山通拡築工事も疎開跡地整備事業としてコンクリート側溝を施工し、砂利を敷く。大通改良工事は緑地を造成し、歩道を一部改良する。円山地区道路整備工事は幅員一五メートルのものを一七五〇メートル、幅員二七メートルのものを二五〇〇メートル施工する。動物園設営は円山公園整備の一環として動物園および児童遊園地を設営する等々。
 この五年計画について、新聞では一月「道路舗装二十五万平方メートル、側溝改修二万五千メートル。同新設五千メートル」と主なものを紹介している(道新 昭25・1・8)。さらに弘報「さっぽろ」(昭25・3・1)でも計画の内容を紹介している。それらを比べると、各課から提出された計画のとりまとめ(新聞報道の段階)、議会に提出した案、そして決定(弘報の段階)と予算総額、施工規模や施設数など変更されている。
 この五年計画は、まず二十五年白石村の合併などの理由により改定し、二十六年度には一般資材の値上がりその他で補正変更され(道新 昭25・9・29)、三十年度までの計画とされた(広報 昭27・4・1)。さらに、二十七年度には再度改定し、二十七~三十年度総額を二一億七三〇〇万円とした。事業の重点は、道路、側溝を含む下水道及び住宅とした(道新 昭27・3・7)。二十八年度には、特別な事情により急に行わなければならない事業や国、道の補助などの関係から優先される事業などに経費が必要となったために、計画事業の一部を後年に繰り越さなければならなかった。そのため当時の財政事情などを考慮して改定をした。その際舗装道路の新設、下水道の新設、側溝の新設改修は別に計画をつくって五年計画から外した(広報 昭28・4・1)。二十九年度予算についての市長の提案理由の中で、「道路下水道住宅等本市として緊急施行を必要とする学校校舎の新増築を重視し」て既定の五年計画事業を後年度に繰り延べることにしたと言及しているが、三十年度予算の提案の際には、新規事業については取捨する必要があると指摘するが、五年計画との関係についての言及はない。この後この五年計画について、言及されていない。