札幌市中央図書館/新札幌市史デジタルアーカイブ

新札幌市史 第4巻 通史4

第八編 転換期の札幌

第八章 「教育都市札幌」の実像

第三節 幼稚園教育の成立と展開

三 「幼稚園令」の制定と昭和戦前期の札幌の幼稚園

 昭和四年十一月、仏教主義に基づく私立堯祐幼稚園が大通西一八丁目に開園した。同幼稚園は本願寺派に属する堯祐寺の住職・藪堯俊が「御大典」を記念する社会事業として、建設を進めていたものである。園舎は和洋折衷の二階建(総坪数一一六坪)で、暖房には当時の幼稚園では珍しいスチームを採り入れた(北タイ 昭4・10・30)。園長には藪が就任し、保姆には内海みどりら二人を採用した(同前)。

写真-15 堯祐幼稚園園舎(昭4)

 同幼稚園のカリキュラムは「幼稚園令」と「幼稚園令施行規則」に準拠し、「談話」「遊技」「唱歌」「手技」「観察」の五項目から構成され、その内容も園児の発達段階を考慮して、次のように定められていた。
第一課程(三・四歳)時数第二課程(五・六歳)時数
談話発音・平易なる単語の発表、簡易なる話方談話同上
遊技平易なる個人遊技遊技平易なる個人遊技、簡単なる団体競技
唱歌平易なる半音童謡唱歌同上
手技簡単なる手技の予備ほ習手技簡単なる手技
観察近易なる形体観察観察近易なる形体並に自然物の観察
一八一八
(北海道教育史 全道編三)

 同幼稚園の園児数は開園当初から概ね六〇人程度で推移した。しかし、十二年にはその前年に私立めばえ幼稚園が開園したこともあり、園児数が二割近く減少した(札幌市統計一班)。