札幌市中央図書館/新札幌市史デジタルアーカイブ

新札幌市史 第4巻 通史4

第八編 転換期の札幌

第六章 社会運動と女性問題

第三節 農民運動

二 昭和前期の小作争議

 本項では、主として昭和元年から同十年にかけて発生した小作争議について取りあげたい。その代表的事例は、先に述べた学田地の争議であるが、その前に、昭和十年頃の札幌市域における小作状況について触れておこう。表10は、この時期の自小作別の農家戸数を各町村毎に示したものであるが、小作農家の比率が最も高いのは篠路村(七二・〇パーセント)であり、以下、札幌市、藻岩村琴似村札幌村の順となっている。また、自小作農家の比率が高いのは札幌村(二八・七パーセント)で、白石村がそれに次ぐ数値を示している。逆に、自作農の比率は豊平町が最も高い(三〇・四パーセント)。
表-10 自小作別の農家戸数
市町村自作自小作小作自作自小作小作
札幌126戸31戸360戸517戸24.4%6.0%69.6%100.0%
札幌
篠路村
琴似村
手稲村
藻岩村
豊平町
白石村
74
71
189
113
71
345
174
146
49
161
107
61
185
171
289
309
479
323
222
606
450
509
429
829
543
354
1,136
795
14.5
16.6
22.8
20.8
20.1
30.4
21.9
28.7
11.4
19.4
19.7
17.2
16.3
21.5
56.8
72.0
57.8
59.5
62.7
53.3
56.6
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
1,1639113,0385,11222.817.859.4100.0
札幌市は『札幌市勢一覧』(昭10),他は石狩支庁『石狩概観』(昭11)により作成。

 以上のように、現在の札幌市域でいえば、北部方面の諸村が高い小作率を示しているといえよう。