第八編 転換期の札幌
第三章 都市計画と社会資本整備
第四節 国内交通機関の発達と通信
三 通信事業
この時代、札幌市はその市街地を郊外から隣接する町村へ広げていく。そのため当時三等郵便局といわれた無集配の郵便局が順次周辺域に設置されていく。さらに市街地化が進むと、郵便局などの適正配置と通信機能の質向上が進むようになる。
藻岩村やそれに隣接する札幌市の山鼻地区や南一~三条の西部地区は、大正期から住宅化が進むようになる。大正十二年には、南一条西一八丁目辺の地主であったという薮惣七から郵便局の設置請願が出され、円山通局が開設された(北タイ 大13・6・24)。さらに昭和五年には円山郵便局も開設されるが(北タイ 昭5・6・22)、十年になると円山局での電信取り扱いについても村から要望が出されるようになる(北タイ 昭10・8・26)。表25からわかるように、札幌市の西部や南部である山鼻地区や藻岩村と隣接する地域には、郵便局が順次設置されていく。
この地域に限らず表25でわかるように、市街地の広がりとともに郵便局が設置されていく。なお昭和十六年二月一日からそれまで一~三等郵便局となっていた等級制度が変更され、一、二等郵便局を普通郵便局、三等郵便局を特定郵便局とした(勅令第95号、官報第四二一七号 昭16・1・29)。 一方、この当時の札幌市での郵便等の取扱数は表26のようになっている。
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