札幌市中央図書館/新札幌市史デジタルアーカイブ

新札幌市史 第4巻 通史4

第八編 転換期の札幌

第三章 都市計画と社会資本整備

第二節 社会資本の整備

三 下水道の整備

 大正十四年六月の市会に「国庫補助申請ノ件」が提案され、同月十二日可決された。これは大正十五年度から五カ年間継続事業として施行する下水道敷設工事費へ三五万六六六六円の国庫補助を申請するものであった。この参考資料として「札幌市下水道布設五ヶ年計画調書」「札幌市下水道布設費予算書」が添付されている。それによると、この下水道敷設計画は、三一路線二万五三八四間にコンクリート土管を使用し、総工費一〇七万円で行われることになっていた(大正十四年札幌市会書類)。
 また、同年七月の市会には「土木費補助申請ノ件」が提案され、同月二十日に可決された。これは十五年度から五カ年継続事業として施行する側溝敷設工事費へ二五万二四二四円の地方費補助を申請するものであった。この参考資料として「側溝布設五ヶ年計画予算書」が添付されている。
 それによると総工費は八四万一四一四円で、側溝築造費(新設)は四四万三七八〇円で八一路線、側溝築造費(改良)は二〇万五三八〇円で五〇路線、暗渠築造費は九万二二三四円で新設と改良の側溝全線に対する付属の暗渠八六二〇間を施工し、汚水溜桝築造費は二万八〇〇〇円で、コンクリート製一一二〇個を設置するという計画であった(大正十四年札幌市会書類)。
 さらに『札幌市下水道事業概要』(昭6)で、その概要を見てみよう。まず札幌市の最大降水量は、明治二十二~大正十三年の計測値から、一時間あたり最大降水量の平均は一八・一センチメートルのところを一時間標準最大降雨量を三〇センチメートルと見積もった。それにもとづいて中央部と周辺部での各点に到達する流集量と汚水流出量を算出した。
 ついで全市を四つの排水区に分けて系統を作った。第一区は創成川流域で、西五丁目線以東東二丁目以西を創成川流域とし、市の中央部を抱擁して南北に縦貫し、ここに九路線を設ける。その集水面積は九七万二七八坪、予定人口は五万一七八人、下水道延長は六八四一・五間である。第二区は、琴似川流域で市の西部に当たり西六丁目線から西一八丁目線間を流域とし、ここに一〇路線を設ける。集水面積一七九万七九七〇坪、予定人口九万四二七一人、下水道延長一万一一四一・七間である。第三区は伏籠川流域で、東四丁目南北線と東八丁目線間の流域に当たり、旧河川の乱流の現存するところもあり起伏に富む地域で、四路線を設ける。集水面積二七万七八四〇坪、予定人口一万七六五五人、下水道延長二二五三・五間である。第四区は豊平川流域で、市内東部に当たり、東五丁目線から苗穂、豊平、白石の各線を包含して豊平川に排水し、七路線を設ける。集水面積四九万三四〇〇坪、予定人口二万一七八九人、下水道延長四四二〇・七間である。

写真-2 下水道西5丁目線敷設工事(昭5)この工事で新川が消滅した。

 表19を見るとわかるとおり、実際の施工は昭和二年度からである。これは大正十四年十一月下水道築造認可申請、十五年七月認可、九月工事実施設計認可申請、十一月認可と進行し、下水道築造工事費総額金一〇七万円に対し、国庫補助金三五万六〇〇〇円の指令がやっと昭和二年三月になっておりたことによる。
表-19 下水道路線一覧と施工年(第1期)
第1区 創成川流域
路線名施工区間
西2丁目線
西3丁目線
西4丁目線
西5丁目線

同線1号

同線2号

北5条線
東2丁目線
東2丁目北線
東4丁目北線
昭2
 2
 2
4,5

 4

 4

 2
 3
 2
 4
南7~北5条間
北8~16間
南8~6間及び南6西4~3丁目間
南7西6~5間
南7~北8間及び北8西5~創成川間
北6~16間
北16西5~創成川間
北16~20間
北20西5~創成川間
西4~1間
南5~北8間
北8~12間
北8~12間
北12東4~創成川間
第2区 琴似川流域
西6丁目線

西7丁目線
西8丁目線
西9丁目線



西11丁目線
西13丁目線
西15丁目線
西16丁目線
西18丁目線
西18丁目北線
 3

 2
 3
 2



 2
2,3
 3
 3
 5
 5
南7~北1間
北1西6~7間
北7~5間及び北5西7~11間
南7~北2間及び北2西8~10間
南14~北1間
北1西9~10間
西9北1~2間
西11北2~7間
南2~北2間
南14~8琴似川支流間
南1北11琴似川支流間
南14~1間
南14~1間
南1~北11右折17丁目間
第3区 伏龍川流域
東4丁目線
東6丁目線
東6丁目北線
東8丁目線
 4
4,5
 5
 3
南3~北6間
大通~北6間
北8東4~北12東8間
大通~北6間
第4区 豊平川流域
東5丁目線
北1条線
豊平本線
豊平北中通線
白石中央線
白石北1番線
苗穂本線
 3
 2
 2
 5
 4
 2
 4
南5東2~大通豊平川
東8~東橋
2号用水路~4号用水路間
3号用水路~4号用水路間
豊平本通~豊平川
1号連絡通線~2号連絡通線間
東7~苗穂村界間
1.上記の当初計画以外に,『札幌市下水道事業概要』付属の一覧表の昭和5年度施工分に,北8条線と北6条線が掲載されている。
2.『札幌市下水道事業概要』から作成。

 なお、側溝築造工事は大正十四年七月地方費補助申請、十五年五月工費総額七七万九三九四円に対し補助金一六万八一六六円の指令があり、下水道同様、昭和二年度から施工された。側溝新設五万一二五九・三間、同改良一万九三四〇・九間、暗渠新設八六二九・九間、同改良二四〇八・二間、汚水桝新設二三〇五箇所、同改良八一七箇所などであった。