札幌市中央図書館/新札幌市史デジタルアーカイブ

新札幌市史 第4巻 通史4

第八編 転換期の札幌

第二章 市制施行と行財政

第六節 諸町村の行財政と町村会

四 地区自治の展開

 北海道一、二級町村制では、区域を分割して部を設置し、各部に部長を任命して町村長事務の補助を得られるようになっていた。一級は部長代理も設置でき、任命方法は二級町村では、村長の推薦人物を議会が承認した上で支庁長が任命し、一級はやはり議会が承認した上で村長が任命するものであった。部長候補者はいずれも部の住民(戸主)が選挙した上で、村役場へ候補者が上申されていたようであり、間接的ながらの民主選挙であったといえる。
 部は町村行政の末端組織とされ、部長はその管理代理者とされていたのである。その後、昭和二年八月二十六日の北海道一級町村制の改正にいたり、府県で施行されていた町村制が北海道にも適用されるようになると、町村制の第七八条、八一条にある町村長による区長への事務分掌、区長・区長代理による町村長の事務補助の規程により、行政区の設置と区長・区長代理の任命が行われるようになった。すなわち、部長から区長へと名称をかえると同時に、無給の名誉職から有給の公職者へと変化していったのである(なお、二級町村も改正により区長に名称変更)。こうした地方制度の改正により、以下のように各町村では部から区へ変更され、区長・区長代理が設置されていくようになる。区長・区長代理の任期は二年ないしは四年とされていた。
 札幌村は札幌村、苗穂村、丘珠村雁来村の四大字からなり、大正十三年六月二十八日に部長設置規則ができて、札幌村には元村、中通、新川、烈々布(れつれつぷ)、苗穂村に上苗穂、下苗穂、丘珠村に丘珠、雁来村に雁来の八部が設置された(札幌村会議案)。これまでも部は設置されていたのであるが、一級町村制により再設置されて名称を一、二部などの番号から区域名に変更したものであった。部は昭和三年頃に区に改称となった。
 篠路村でも二級町村となり、明治三十九年八月に一七部が設置されたが、昭和二年二月二十八日に「篠路村区設置規程」がつくられて部から区へと改正となり、本村、五ノ戸、十軒、烈々布、学田、横新道、上茨戸、下茨戸、大野、興産社、山口、釜谷臼、下福移、中福移、上福移、沼ノ端、中野の一七区が設置された。
 琴似村では昭和三年まで二七部が置かれ、各部には部長・部長代理が任命されていたが、四年から区と区長・区長代理にかわる。九年から二八区となったようであるが、区名は以下の通りである(隣接町村合併関係〔参考〕による。ただし一区不明)。〔大字琴似村〕盤ノ沢、小別沢、十二軒、山手、二十四軒東、二十四軒西、川添東、川添西、八軒東、八軒西、試験場、牧場(まきば)、学田、(新琴似)南一番通、南二番通、南三番通、南四番通、南五番通、南六番通、部有地(ぶゆうち)。〔大字発寒村〕南発寒、北発寒、西発寒。〔大字篠路村〕北一番通、北二番通、北三番通、北四番通。
 手稲村では昭和二年十二月に「手稲村区長及び代理者設置規程」が設けられ、一一部から以下の一一区に改められた(手稲町史 上巻)。上手稲東、上手稲西、西野、南西野、軽川第一、軽川第二、三樽別(さんたるべつ)、新川、下手稲、山口、星置。その後、人口の増加により十一年六月に手稲鉱山区が置かれて一二区となった。
 藻岩村は大字円山村に五条通、一条通、神社通、滝ノ沢、界川、伏見の六部、大字山鼻村に上山鼻、四号沢、五号沢、八号沢、石山通、白川の六部とされていたが、大正十四年に円山村の部を人口増加により第一部から第八部までと改正した。昭和三年に部から区へ改正され、人口増加の著しい円山村は七年に一一区、十三年四月には一四区とされた。
 豊平町では明治四十年十月に三六部とし部長代理も設置したが、大正二年以降は三三部となっていた。昭和二年十月一日に部を廃止し、新たに三年二月に「処務便宜ノタメ」に区設置規程がつくられ、二年任期の区長、区長代理者が三三区に置かれるようになった(豊平町史)。大正十一年には以下の三三部であった(豊平町勢要覧)。豊平、月寒本通、東北通、西北通、上西山、下西山、西通、二里塚、厚別北通、厚別、厚別南通、三里塚、公有地、三滝沢、器械場、中島、東裏(ひがしうら)、平岸上本村、平岸下本村、精進川、真駒内、石山、土場(どば)、穴ノ沢、丸重吾沢(まるじゆうごさわ)、東簾舞、西簾舞、御料地、砥山(とやま)、滝ノ沢、一ノ沢、定山渓、白井川。
 区設置規定の際に三滝沢は野々沢に改正されたようであり、昭和四年五月に野々沢を上野々沢・下野々沢区に分割、五年四月に滝ノ沢・白井川区を定山渓市街区に編入、七年六月に上西山・下西山区を西山区に統合するなどの改正が行われている。
 白石村では明治三十五年九月十六日に一四部編成の部設置規則が認可され、大正七年からは一五部となっていた。一級町村となってから「区設置規程」が設けられ、七年十一月一日に以下の一九区が置かれた。上白石第一~四、米里、横町、中央、本通、南郷、北郷、大谷地、野津幌、下野津幌、旭町、厚別東、厚別西、本田(九年四月に山本と改称)、厚別川下、小野幌。
 白石村の場合、設置時の区長・区長代理者の報酬は、一〇〇戸以上の区は二〇円・五円、五〇戸以上は一五円・三円、五〇戸未満は一〇円・二円であった。