札幌市中央図書館/新札幌市史デジタルアーカイブ

新札幌市史 第4巻 通史4

第八編 転換期の札幌

第一〇章 国家神道と宗教の展開

第四節 教派神道と新宗教

二 昭和前期の教派神道と新宗教

 十五年十月に道内の神道一二派(天理・金光・黒住・大成教、神社本局、修成派、御嶽・神理・大社・扶桑・実行・神習教)が、「従来、各教派毎に行ってゐた各種公益事業、講習会、講演会等の精神作興運動、銃後奉仕等を通じ新体制に即応した強力な活動を展開」することをねらって、道庁と各教派との協議が開始されていた(北タイ 昭15・10・17)。この目的は「教師、教信徒の素質を向上し惟神の大道に基き国体の本義に徹して社会風教の善導に任じ道内教派和親協力、以て臣道を全うする」こととされ(北タイ 昭15・11・21)、やがて北海道神道教派聯合会として十二月十四日に市公会堂にて発会式を行った。会長には道庁の内務部長が就任しており、官製の統合団体という性格の強いものであったが、同会の札幌支部も札幌市が中心となって創設されていく。
 翌十六年六月に札幌市では、
市内各派神職の職域を通じて市民に翼賛理念の徹底を図り市翼賛運動を一段と促進すべく目下、関係課に於て市翼賛会支部と市内神職団体の連絡協調と、これが活用方策に関し具体案を練ってゐる……
(北タイ 昭16・6・7)

と報道され、八月に「神道教派職員の素質向上と時局柄一般民衆の善導積極化の重要性」のもとで創設の合意に達していた(北タイ 昭16・8・5)。ただ実際に創設までには種々の問題もあったらしく、発会式が行われたのは十七年五月二十九日であった。札幌支部には天理・金光・黒住・神道大教(十五年に神社本局から改称)、御嶽・扶桑・神理・実行・大社教の一〇教派が参加したが、支部役員には支部長が三沢寛一(札幌市長)、副支部長に伊沢広曹(市助役)、幹事長に鎌田直(市庶務課長)が就任するという具合に(北タイ 昭17・5・29)、これも市の翼賛体制を整備するために創設された、まったくの官製組織であった。八月二十五日に開かれた幹事・評議委員会では、十七年度の事業につき教化講習・講演会、錬成会の開催、銃後後援事業などが協議されており、十八年一月八日には札幌神社にて必勝祈願祭と常会を開いている。この北海道神道教派聯合会も、十九年十二月に戦時宗教報国会北海道支部に統合となった。