札幌市中央図書館/新札幌市史デジタルアーカイブ

新札幌市史 第3巻 通史3

第七編 近代都市札幌の形成

第一〇章 宗教活動の社会的展開

第二節 寺院と「市民仏教」の展開

二 日露戦争下の寺院と仏教

 三十七年三月十三日に、各宗仏教聯合会主催による旅順海戦の戦死者追吊会が、約二〇〇〇人の焼香者を集めて新善光寺で行われた。本堂の仏前には、「大日本軍人征露戦死の英霊」と記した位牌が置かれ、読経、焼香の後に通仏教団札幌支部による仏教演説会が開かれた(北タイ 明37・3・15)。各宗仏教聯合会の戦死者追吊会はその後、大連占領後の六月五日に中島遊園地、遼陽占領後の十一月十、十一日に大通西五丁目、第七師団で戦死者三一四二人、負傷者八二二二人という厖大な死傷者を出した旅順戦後の十二月十八日に、それぞれ盛大に催されている。さらに終戦後の三十八年十一月十三日、歩兵第二五聯隊の帰還を迎えても開催されていたし、三十九年四月一日にも大規模な軍人戦死病没者追吊大法会が行われていた。

写真-6 各宗聯合札幌追吊会(北タイ 明39.4.3)

 この他にも戦時中は、各寺院でもたびたびにわたって追吊会がなされていた。開催は各寺や仏教団体、寺内の講員などにより行われ、会式には官公署、赤十字、尚武会、奉公会、愛国婦人会などの代表も参列する公的な儀礼ともなっており、この時期ほど寺院と仏教団体が社会的に枢要な役割を帯びたことはなかったであろう。