札幌市中央図書館/新札幌市史デジタルアーカイブ

新札幌市史 第3巻 通史3

第七編 近代都市札幌の形成

第七章 社会生活の変貌

第五節 博覧会と市民生活

三 開道五〇年記念北海道博覧会

 大正七年八月一日、午前十時の号砲の合図とともに、第一会場である中島公園で盛大に博覧会の開会式が挙行された。おもな来賓は内閣総理大臣代理をはじめ、国会議員、各府県知事および代理、官公衙代表者、道庁長官、道会議員、各支庁長、教育界・財界代表者、拓殖功労者、協賛団体・会社・銀行・新聞社代表者および出品人など、合わせて三五八〇人。フロックコートにシルクハット、羽織袴に山高帽という礼装で参集した。
 式順序は、挙式宣告、君が代奏楽、事務申告、式辞、総理大臣祝辞、各界代表者祝辞、祝電朗読、出品人総代祝辞、閉式宣告の順に行われ、午後一時から一般に公開された。
 会場は中島公園を第一会場とし、北一条西四丁目の第二会場、小樽区第二区埋立地の第三会場の三カ所からなっていた。
 初日の第一会場入場者は約八〇〇〇人にものぼる大盛況で、七割方は地方からの見学者であった。折から小雨に見舞われたが、それがかえって土埃をおさえる結果となった。第一会場の白亜の塔の正門をくぐった老若男女は、感嘆と驚異に満ちた表情で続々と各館目指して急いだ。多くの人が入口付近の教育拓殖衛生館から見はじめ、右に左にと博覧会当局が苦心と努力とをはらった順路通りに各陳列館をのぞいては喜々としていた(北タイ 大7・8・2)。夜に入って、札幌駅前通から中島公園にいたる街路は「電光の装飾」に埋めつくされた。第二会場はさながら不夜城のような燦爛(さんらん)たる光に照らし出されたばかりか、第一会場の中島公園は、一歩場内に入れば昼の壮観にも増して別世界を作りあげていた。三色の彩りに次々と変化する噴水、池水上にある迎賓館や橋はあたかも闇に浮く浮城のごとく壮麗で無垢の姿を現し、白亜の各館も夜間照明に輪郭がくっきりと浮かびあがり、ローマの大建築を思わせる水産館を中央に馬蹄形に置かれた各館も、夜の沈黙も知らずに建築美を誇っているありさまであった(同前)。

写真-22 道博第一会場内の雑踏

 この夜九時頃、大通西五丁目に集合した札幌各実業団体各方面有志からなる一大提灯行列は、手に提灯をかざし、万歳を唱えて行進曲演奏の楽隊とともに約二五〇〇人が札幌区協賛会役員の指導のもと、道庁、札幌駅前通第二会場を経て中島公園第一会場正門から中に入り、水産館前で万歳を唱えて散会した。こうして熱気につつまれた一日が終わった(同前)。