札幌市中央図書館/新札幌市史デジタルアーカイブ

新札幌市史 第3巻 通史3

第七編 近代都市札幌の形成

第三章 産業化の模索と進展

第三節 札幌の農業

三 近郊野菜生産の拡大

 この時期、札幌区の人口増加を受けて、都市近郊的な野菜生産が拡大をみせてくる。その動向を札幌郡について示したのが表23である。まず、作付面積についてみると、明治四十三年では総面積が九一二町であり、たまねぎ二〇四町(二二パーセント)、かぼちゃ一七九町(二〇パーセント)、大根一五二町(一七パーセント)が三大作物であり、その他に白菜などの漬菜やキャベツ、かぶ、にんじん、長ねぎ、ゴボウ、キュウリ、なす、甜瓜(まくわうり)、すいかなどの多様な野菜が作付けられている。その後も作付面積は拡大し、大正三年には一〇〇〇町を超えている。このなかで最も作付を拡大したのは、後に詳しく述べるたまねぎであり、これは移輸出野菜として特別な位置を占めている。表でピークをなす大正五年について詳しくみると、たまねぎが三六九町、大根が二六八町と、ともに一・八倍ののびであり、かぼちゃも二四六町と一・四倍である。その他ではキュウリ、なす、かぶなどの果菜類の伸びが大きくなっている。
表-23a 野菜作の変化(札幌郡,単位;町)
 漬菜キャベツ大根かぶ人参玉葱ゴボウ南瓜西瓜甜瓜キュウリその他瓜なすその他野菜
明43385515215524020462179111221153917912
 44456216718373920757179111420134040949
大 154601491537 1985120971014153317869
  25264148204533232492386512403321998
  3467925524622928238251514171139321,184
  45056198293930339412115818937281,098
  5575926832433636946246913562051361,341
  6615974254145391412601613571657461,202

表-23b 野菜作の変化(札幌郡,単位;円)
 漬菜キャベツ大根かぶ人参玉葱ゴボウ南瓜西瓜かぶキュウリその他瓜なすその他野菜
明438,78814,64343,8503,44418,22011,27375,20021,86742,2204,3665,8668,9394,82811,3243,650278,478
 449,51814,57159,1663,8039,83812,42665,17420,48245,7293,6975,6096,7202,95010,4679,213279,363
大 110,75115,62447,7592,93714,067 84,07021,26059,8093,6573,9995,0234,51511,2715,530290,272
  28,83918,32166,1154,37715,96010,196119,41417,57663,6422,3572,3533,47012,2157,8134,410357,058
  37,21317,050164,2583,98816,7337,852167,80114,63064,5743,1422,6386,0813,82015,0065,531500,317
  47,14613,49242,0144,94510,4148,864137,53117,41742,4762,8573,3106,7163,20812,4264,304317,120
  59,09613,733137,8305,10613,17311,261238,47721,64265,6423,3544,03419,1416,63216,0705,665570,856
  610,22619,04828,65312,66712,48811,887155,25818,26081,41211,7166,59216,7958,37220,2868,541422,201
北海道庁統計書』より作成。

 金額ベースでは、明治四十三年の二七万八〇〇〇円から大正五年の五七万円までやはり二倍近くの増加がみられる。大正五年の農産物の総生産額は三一五万八〇〇〇円であるから一八パーセントを占めるまでになっているのである。品目別では、同じく大正五年で、たまねぎが四一パーセント、大根が二四パーセント、かぼちゃが一二パーセントを占めている。