札幌市中央図書館/新札幌市史デジタルアーカイブ

新札幌市史 第2巻 通史2

第六編 道都への出発

第七章 札幌進展期の社会生活と文化

第三節 日清戦争と札幌市民

四 徴兵令と第七師団

 二十九年一月一日、北海道のうちすでに二十二年施行の函館、江差、福山を除く渡島、胆振、後志、石狩の四カ国にも徴兵令が施行されることになった。二十九年一月現在での札幌区および札幌外九郡役所における管下徴兵適齢者は、札幌区で二三五人、札幌外九郡で一二二〇人と見積られた。しかも、徴兵適齢者は役所に一月末までに届け出ることになっており、もし届け出ない者は徴兵忌避者あるいは徴兵不応者として処罰の対象となった。徴兵適齢者のうち住所不明者は新聞を通じて氏名が公表された。札幌区の場合新聞によれば、一月末日までに届出をしなかった者は二四人に過ぎなかったという。
 役所では、徴兵令の施行にともない兵事係を設け、徴兵事務一切を引受けるとともに、無届者戸別調査のために雇人を増員した。
 二十九年五月、札幌徴兵署を北三条西七丁目の北水協会内に開設し、はじめての徴兵検査が五月七日より十日までの四日間行われた。札幌区内の実際の検査人員は二五〇余人、欠席者は一八人であったという。この徴兵検査終了者のうちより今年度入営する者が抽選で選はれるようになっていた。
 また、札幌外九郡役所における徴兵適齢者数はおよそ一千四、五百人にのぼったが、徴兵事務が滞ったため、出稼で生計を立てている者は出稼を一旦見合わせるなど支障をきたす者もでてきた。当時の新聞には、出稼のため居所を他へ移す者や他府県よりの移住者が多く、ゆえに兵事係がいかに繁忙をきわめたかを記したものが多い。