札幌市中央図書館/新札幌市史デジタルアーカイブ

新札幌市史 第2巻 通史2

第六編 道都への出発

第三章 周辺農村の発展と農業の振興

第一節 移民の増大と農村

一 諸村の発展

 豊平村豊平橋をはさみ札幌区の市街に接し、室蘭街道(国道三六号)から札幌区に入る玄関口となっており、農村から市街へと変貌をみせてきていた。二十四年一月の状況を『北海道毎日新聞』(以下道毎日と略)の「豊平村の近況」(二十四年一月十八・十九日付)からうかがうと、豊平村には雑貨商四九戸、旅人宿八軒、飲食店二三戸、煙草小売五軒、湯店三店があったという。旅人宿は「下等にして木ちん宿の類多」く、飲食店も「下等」で得意客は「近郡の馬丁車夫或は小農細商の類」といわれ、札幌市街にくらべ安価な庶民向けの店が多かった。これが後に豊平に細民街がうまれるもとにもなった。
 豊平村には豊平、平岸、月寒、上白石白石の五カ村戸長役場がおかれ、豊平川以東の行政の中心に位置していた。二十六年頃は農六分、商四分といわれていたが、室蘭街道沿に商店、人家が櫛比する市街が形成されるにしたがい、二十八年二月に豊平消防組も設立されている。三十三年五月十八日に大火にみまわれ、対岸の札幌区にも飛び火して合わせて二五三戸が類焼する災事もあった。