札幌市中央図書館/新札幌市史デジタルアーカイブ

新札幌市史 第2巻 通史2

第六編 道都への出発

第三章 周辺農村の発展と農業の振興

第一節 移民の増大と農村

一 諸村の発展

 札幌県の時期に移住者が増加し、特に篠路、上手稲、下手稲、月寒、白石村など村域が広く未開地を多く擁している村々は、人口の増大もはなはだしかった。その趨勢は道庁設置以降のこの時期になり、さらに加速されてきた。
 人口増大の原因は諸種考えられる。第一はまだ残されていた深奥部の未開地の開拓に着手されたことで、現在の豊平区西岡や清田、南区簾舞や石山、西区の福井や平和、東区の福移、中沼などの諸地域にまで開拓の鍬がおろされていった。第二は、明治十九年(一八八六)六月二十九日に公布された北海道土地払下規則をもとに、大農場の設置があいつぎ、各農場ではさかんに小作人を募集して招致したことによる。第三は、札幌区に道庁がおかれ人口も四万人をこえ、〝道都〟として発展をむかえるにつれ、豊平・山鼻・苗穂・上白石村などが都市勤労者や雑業者の住宅地、商工業地として変化していったことがあげられる。
 表1は、二十年から三十二年までの諸村及び札幌区の現住戸数と現住人員(人口)を示したものである。年によって戸数、人口に大きなひらきがあり、一部不審な点もあるが、大勢を知る上では十分に参考とすることができる。
表-1 諸村の戸数と人口

明治202122242526272829303132
山鼻269戸
1,634人
279戸
1,603人
295戸
1,794人
303戸
1,878人
307戸
1,951人
324戸
2,083人
315戸
2,133人
296戸
2,271人
321戸
2,271人
330戸
2,329人
368戸
2,224人
円山65
530
74
511
90
737
95
746
95
627
105
668
106
661
114
708
124
675
124
760
93
655
琴似413
2,111
501
2,403
539
2,992
546
3,173
546
3,296
568
3,466
575
3,720
596
3,529
597
3,754
509
3,748
526
3,887
発寒40
214
43
207
39
221
36
231
37
248
38
256
38
292
39
256
39
256
28
314
35
300
手稲181
577
196
702
193戸
764人
226
847
260
832
323
1,130
205
949
210
968
186
614
188
949
192
823
193
1,002
手稲128
462
156
584
208
579
235
839
292
1,017
365
1,315
303
1,316
306
1,311
252
1,326
283
1,465
297
1,323
315
1,459
山口133
523
129
517
128
526
149
534
148
550
150
615
139
600
141
694
100
685
98
653
88
564
98
551
豊平324
1,364
372
1,480
487
1,710
582
2,141
515
2,051
570
2,120
563
1,744
508
1,734
490
1,950
516
1,867
478
1,883
474
1,891
平岸264
1,267
244
858
290
963
384
1,236
367
1,121
349
1,130
338
1,291
367
1,321
348
1,413
361
1,429
375
1,438
350
1,571
月寒423
2,066
409
1,446
506
1,817
596
2,423
768
3,050
554
2,328
589
2,208
642
2,399
617
2,526
671
2,717
643
2,764
585
2,775
白石109
439
128
480
147
534
186
644
183
702
176
738
178
710
202
852
186
783
184
832
117
747
118
781
白石189
2,167
232
982
286
1,191
395
1,633
484
2,181
564
2,687
866
3,130
916
3,425
903
3,619
1,019
4,348
758
4,447
610
4,818
苗穂172
681
157
1,019
167
827
168
878
196
983
210
1,125
238
1,262
239
1,394
248
1,470
254
1,621
392
1,715
268
1,960
札幌193
649
148
1,145
163
798
208
1,275
237
1,357
304
1,684
309
1,661
297
1,724
323
1,691
331
1,827
358
2,008
288
2,168
丘珠87
282
81
484
92
451
122
753
148
840
166
965
183
1,015
185
1,119
245
1,159
257
1,253
521
1,245
180
1,408
雁来71
277
47
408
51
245
61
301
73
351
78
366
81
368
82
385
75
435
83
461
122
514
101
645
篠路198
640
148
1,081
505
2,476
511
2,706
561
3,083
667
3,549
754
3,869
846
4,405
862
4,633
878
4,834
1,024
5,143
934
4,750
札幌区3,398
13,534
3,918
14,093
3,973
16,876
5,746
25,634
5,039
26,022
5,151
27,694
5,186
28,151
4,812
27,867
5,589
33,710
6,200
35,306
6,569
37,464
7,009
40,578
合計6,657
29,417
7,262
30,003
10,532
47,588
10,251
50,168
10,612
53,568
10,967
54,747
10,787
56,404
11,469
62,778
12,404
66,518
12,925
69,229
12,545
73,423
1.上段は戸数、下段は人員。2.『北海道戸口表』より作成。3.明治22年のみ佐藤喜代吉『北海道旅行記』より作成。

 これによると三十二年段階で、人口が三〇〇〇人をこえる大村は白石・篠路・琴似村であった。白石村大谷地、厚別地域の開拓が進み、篠路・琴似村には二十~二十二年にかけ篠路兵村新琴似兵村ができたことが大きい。また篠路村は、興産社の所在した拓北や中野開墾地(東区中沼)の開拓が進展したことによる。
 一方、人口が一〇〇〇人に満たない小村もあった。山口・上白石・雁来・円山・発寒村である。いずれも村域がせまく、未開地が残り少なく、移住者の入る余地がなかったことによる。