札幌市中央図書館/新札幌市史デジタルアーカイブ

新札幌市史 第2巻 通史2

第六編 道都への出発

第二章 商工業の進展

第一節 官営工場の払下げと民間企業の勃興

二 民間企業の勃興

 札幌における活版印刷は、開拓使が東京出張所の印刷機を十年十月札幌に移して、南二条東一丁目の札幌本陣の角へ活版所を設け印刷をし、民間の需要にも応じたことに始まるとされる。この活版所は間もなく焼失したため、開拓使はさらに大通西三丁目に活版印刷所を新築して事業を続けたが、十九年五月、小樽の山田吉兵衛が貸下げを受け、新鞆三郎を主筆として二十年一月、週一回発行の『北海新聞』を創始し、まもなく週二回発行となった。続いて十月一日より阿部宇之八を聘して毎日発行に改め、題名を『北海道毎日新聞』と改題、ついで二十一年三月阿部宇之八が営業を譲り受け、また道庁から印刷器械及び活字一切の払下げを受け、二十五年には資本金九〇〇〇円、職工六五人の企業にしている。
 市況の拡充に伴い新聞、雑誌の外に官庁、会社、商店の商標、株券、諸帳簿用紙等の印刷注文が増加し、印刷業者もまた多くなってきている。三十二年現在の活版印刷所は表7のようであった。
表-7 活版印刷所一覧(明治32年)
 印刷所名住所創業経営者
活版札幌活版印刷所大通西3明治19年阿部宇之八
北門活版所大通西424 中川寅次郎
山藤活版所南2西629 山藤敬助
野沢印刷所北1西332 野沢小三郎
玉振堂活版所南1西231 前野長発
於福堂活版所南1西428 野沢小三郎
文栄堂活版所南2西325 野副又六
石版北海石版印刷所大通西426 本間清蔵
玉振堂石版印刷所南1西230 前野長発
陽明堂石版印刷所南2西226 長谷川伊助
札幌案内』より作成。