札幌市中央図書館/新札幌市史デジタルアーカイブ

新札幌市史 第2巻 通史2

第五編 札幌本府の形成

第四章 周辺村落の展開と農業

第一節 村落の成立と拡充

一 諸村の成立

 宮城県遠田郡の農民二四戸が四年六月に移住した対雁村は、石狩川と旧豊平川の合流地点にあった。しかし、札幌市街とは遠距離で交通も不便なために、六年二月十一日、隣接する雁来村の地への移転が一九戸より申請された。それによると対雁村は、
何分他村と違ひ右作物ヲ自分ニテ売捌候義甚タ不自由ニ御座候訳ハ、当御庁下ヘハ五里内外之里程、石狩ヘハ水路十里余ニ相成候間、仮令(たとい)売捌き候共却テ往返等ノ入費ノミ相懸リ候
(市史 第七巻二二一頁)

といわれ、収穫物の販売のために市街に近接する雁来村への移転が希望されたのである。この申請は許可となり、新たな移転地は元対雁村と呼称されていたが、六年九月二十九日に雁来村と命名された。