札幌市中央図書館/新札幌市史デジタルアーカイブ

新札幌市史 第1巻 通史1

第二編 先史の札幌

付章二 先史文化人の形質

第五節 オホーツク文化期の古人骨

 児玉作左衛門は、脳頭骨の高さと下顎骨の形態および著しく強い歯の咬耗(こうもう)などを考慮して、モヨロ貝塚人はアリュートに近似する、と主張した。これに対して、山口敏は、伊藤昌一が公表した頭骨計測値にもとづいてペンローズの形態距離を算出したところ、モヨロ貝塚人は北東シベリアのモンゴロイド、とくにアムール河下流のウルチなどの集団にもっとも近い、という結果を得た。宗谷大岬出土のオホーツク文化期の頭骨を、やはりペンローズの形態距離を用いて分析した石田肇によれば、大岬人と近い距離にあるのは、北米のアリュートなどではなく、やはりアムール河下流のナナイ、ウルチなどの集団であるという。
 いずれにせよ、オホーツク文化の担い手の系譜の問題は、北海道の古人骨研究に残された重要な課題の一つである。