札幌市中央図書館/新札幌市史デジタルアーカイブ

新札幌市史 第1巻 通史1

第二編 先史の札幌

付章二 先史文化人の形質

第三節 道南西部の古人骨

 虻田町入江貝塚からは、縄文前期から後期にかけての人骨が一五体発見されているが、計測が可能なのは、女性四例のみである。頭骨の長幅示数は七五・〇、七五・八、八一・三、七一・四で、長頭型から短頭型まで変異するが、平均値は七五・九でアイヌの平均値とかなり近い。頭骨の計測値をもとにペンローズの形態距離を算出すると、本州の縄文人に近いのは四例中わずか一例で、残りの三例はいずれもアイヌに近い。
 虻田町の高砂貝塚からは、大洞C2式(おおぼらC2しき)といわれる本州系の縄文晩期の土器を伴って、二五体の人骨が発見されている。このうち男性一例、女性三例が計測可能であった。頭骨の長幅示数は、男性七八・六、女性七九・四、七九・三、七九・四で、いずれも短頭型に近い中頭型に属し、この点はアイヌよりもむしろ本州の縄文人的である。ところが、頭骨の計測値をもとにペンローズの形態距離を求めると、男性は本州の縄文人に近いが、女性は三例中二例がアイヌに近いという結果が得られる。
 このほか計測可能な人骨としては、南茅部町臼尻遺跡から出土した縄文中期人骨と島牧村栄磯岩陰遺跡で発見された縄文晩期人骨がある。二体とも女性であるが、頭骨の計測値をもとにしたペンローズの形態距離では、いずれも本州の縄文人よりは近世アイヌに近い。