札幌市中央図書館/新札幌市史デジタルアーカイブ

新札幌市史 第1巻 通史1

第二編 先史の札幌

第三章 縄文時代

第三節 後期

三 土器・石器

 以上のように変遷する土器のうち、初頭の土器は、札幌付近から渡島半島に主たる分布圏を持つが、それに後続する前葉の土器の早い時期のものは、主なる分布圏が青森県北部と渡島半島などきわめて限定されるようになり、道内の他地域では、少数の遺跡しか発見されなくなる。前葉の終末の土器から再び札幌周辺にも分布をひろげ、中葉に至ると全道的に同一の文様を持つ土器が見られるようになる。特に手稲式土器とその直後の土器は、関東地方の加曽利B様式土器といわれ、日本列島のほぼ全域から出土するようになる。
 加曽利B様式の文化が全国的に広がり、あたかも日本列島初の統一国家ともいうことのできるように同一文化を広めた背後には、呪術などによるさまざまな規制による強力な集団維持体勢をうかがうことができる。その一つの証拠として、中葉の時期から特に顕著になる環状列石などの集団墓の出現と石棒、玉などの特殊な副葬品の存在を挙げることができる。
 後葉の土器も、前段階から引き続き本州的な文様を受け継ぎながらも、独特なローカル色のある文様が出現し、北海道の気候風土に応じた文化の確立への胎動が開始される。