札幌市中央図書館/新札幌市史デジタルアーカイブ

新札幌市史 第1巻 通史1

第一編 札幌の自然史

第五章 石狩海岸平野の形成

第四節 完新世の地史と古気候

 完新世に入ってから温暖な気候が続いていたこの地域も五〇〇〇年前ころから、次第に寒さをまし四五〇〇年前になると、エゾマツ・アカエゾマツ・トドマツ・ツガ属などの亜寒帯針葉樹林が優勢になり、コナラ属が衰退する。
 この時期は、紅葉山砂丘の外面では、浅海底を埋め立てるように、海岸線が沖合に進み花畔低地も南半は陸化し、紅葉山砂丘も海岸砂丘としてではなく内陸砂丘として浸食されたり固定化を進めていたのである。一方、六〇〇〇年前ころ紅葉山砂礫堤で隔離された潟湖も豊平川や発寒川の土砂で西側から埋め立てられ、この時期になると、東から東南部の沼の水域を残して大部分が沖積平地となっていた。その平地は、豊平川の洪水氾らんをうけ、めまぐるしく、その景観を変えていたのである。札幌扇状地も次第に安定化にむかい、豊平川の流路が東へ移動したあと、扇状地の西の方は、豊平川からの分流が幾条にも走っていたのであろう。
 縄文文化の最盛期(中期)を生きた人びとは、新しく形成された低地帯や札幌扇状地へもその足跡を残すようになった。そして、一部の人びとは、この時期から紅葉山砂丘へ進出していったのである。