札幌市中央図書館/新札幌市史デジタルアーカイブ

新札幌市史 第1巻 通史1

第一編 札幌の自然史

第四章 台地と扇状地

第三節 扇状地堆積物

 札幌扇状地に限らず、一般的に扇状地の形成過程については詳しくわかっていない。第一の疑問は、扇状地を構成する膨大な量の砂礫がどのように生成されたかということである。その説明として次のような考えがある。
 扇状地を構成する膨大な量の砂礫は、通常の気候条件下で生産されるものではなく、寒冷気候期の周氷河地域において生産されたというのである。寒冷気候下では森林限界(森林が生育できる限界)の高度が低下して、山岳部では裸岩地帯が拡大し、岩石中の水分の凍結・融解のくり返しによって機械的な風化が促進され、岩屑の生産が増加される。その後、降水量が増加した時期に、上流域に堆積していた岩屑が河川で下流に運搬される。こうした条件が整ってはじめて扇状地が形成されるというのである。このような考え方にしたがって、札幌扇状地発寒川扇状地などの形成過程とその時期を考察してみよう。