札幌市中央図書館/新札幌市史デジタルアーカイブ

新札幌市史 第1巻 通史1

第一編 札幌の自然史

第四章 台地と扇状地

第二節 最終氷期の堆積物

 支笏湖は、恵庭岳・風不死岳・樽前山などに抱かれ、かつては、訪れる人も少なく、静かに眠る神秘の湖であった。しかし、最近は、札幌市近辺の代表的な観光景勝地として多くの人びとでにぎわっている。では、この支笏湖はどんな過程で、いつごろ形成されたのだろうか。実は支笏湖の成因を探る支笏火山の噴出物が市域の南部の丘陵や台地に広く分布し、しかも、その一部の堆積物は、石材として市民の生活のなかに入りこんできたもので、札幌市の生いたちを考えるうえにも、切っても切りはなせない地質要素なのである。
 支笏湖は成因的にはカルデラ湖といわれている。カルデラとはスペイン語で「鍋」という意味である。大規模な火山噴火によって大量の物質が放出され、空洞となった地下のマグマ溜りにむかって、地表が垂直的に陥没すると大きな鍋状の陥没地形ができる。それがカルデラなのである。支笏湖はそのカルデラに水がたまって湖になったものであるが、支笏カルデラは、スンダ海峡(インドネシアのスマトラ島とジャワ島の間)にあるクラカタウ火山の陥没カルデラによく似ているので、クラカタウ型カルデラとよばれている。このように大規模な陥没を引き起こした支笏火山の活動はいったいどんなものだったのだろう。