札幌市中央図書館/新札幌市史デジタルアーカイブ

新札幌市史 第1巻 通史1

第一編 札幌の自然史

第四章 台地と扇状地

第一節 最終間氷期の地層

 図1はこの台地を構成する代表的な地質柱状図である。この図から明らかなように、最下部には泥炭がはさまる青灰色シルト層がみられる。この地層は、すぐ東側の野幌丘陵を構成する下野幌層の延長なのである。そして、その上位は砂礫を主体とした地層(もみじ台層)で、下位層と不整合に接している。さらに、泥炭をはさむ灰色シルト層(小野幌層)が累重し、最上位は地表まで軽石を多量に含む灰白色のいわゆる火山灰層(支笏軽石流堆積物)となっている。このように、もみじ台団地=小野幌・下野幌台地(厚別台地の一部、第一章参照)は四つの地層からなっているが、最下部の下野幌層とその上位のもみじ台層とは地層の構造も、堆積時代もまったく異なるものである。したがって、この台地の形成はもみじ台層の堆積によってはじまったことになる。

図-1 もみじ台団地周辺の地質

 もみじ台層は基底に安山岩礫からなる礫層をもち、砂・砂礫を主体とする地層である。基底に近い砂礫層から、種類は少ないが、多量の貝化石が産出する。しかも、それらの貝化石は大部分が壊されており、掃き寄せられた状態で堆積している。これは海浜あるいは浅海域で貝殻片が、波に打ち寄せられ、化石になったことを示すものであり、この付近が、当時は海浜ないし浅海域だったことを暗示している。
 産出する貝化石は、アズマニシキガイ・マガキ・ウバガイ・カガミガイの四種で、全部現生種で現在の石狩湾をはじめ日本海沿岸水域に生息するものである。このことから、もみじ台層の海は現在と同じような水温条件下にあったと推測される。
 この砂礫層の厚さは四~一〇メートルで、礫の大きさは上部になるにつれて細かくなり、クロス・ラミナ(*)(斜交葉理)が発達する。また、場所によっては、薄い泥炭層がレンズ状にはさまっている。
 
  *クロス・ラミナ 層理面といろいろな角度をなして斜交する粒子の配列(ラミナ)。斜交葉理ともいう。層理面にたいして下流側に傾斜することが多い。その形成時における水流の方向を復元するのに役立つ。