札幌市中央図書館/新札幌市史デジタルアーカイブ

新札幌市史 第1巻 通史1

第一編 札幌の自然史

第二章 山地の生いたち

第二節 グリーンタフ変動とその産物

 藻南公園の対岸には大きな崖が続いている。この崖をつくっている岩石は泥岩とハイアロクラスタイト(*15)(水冷破砕岩)と呼ばれるものである。このハイアロクラスタイトは黄灰色の凝灰質の基質の中に石英安山岩や輝石安山岩の角礫を多量に含み、非常に不均質な形状を示すものである。このような岩石は、比較的粘性の高いマグマ起源の溶岩が水中に噴出する際、急冷却されるためにバラバラの角礫状となり、それらの間に、火山灰や細かい岩石片、火山ガラスなどが充塡したものである。これは海底火山活動の一つの特徴である。
 札幌の西南山地の山麓部には、こうしたハイアロクラスタイトを主体とし、安山岩溶岩や凝灰岩、泥岩などからなる地層が広く分布しており、これを西野層とよんでいる。三角山の基盤や大倉山なども西野層の安山岩溶岩からなっている。また、羊ヶ丘から清田南方の丘陵性台地(滝野丘陵)に点々と連なる小高い丘(焼山、白旗山、島松山など)も安山岩溶岩や凝灰岩などからなる西野層で構成されている。さらに、この地層は手稲前田から銭函にかけての平野部の地下にも分布している。
 西野層の堆積時期は、新第三紀鮮新世(五〇〇万~一八〇万年前)である。したがって、この時期には、西南山地の山麓部より東側は海底下にあり、しかもその海底は火山活動の舞台となっていたのである。
 
 *15 ハイアロクラスタイト おもに玄武岩の溶岩流が水中(海底・湖底など)を流れるとき、水と接触して表面が急に冷やされ、破砕されて生じた多量のガラス質の小塊からなる岩石。玄武岩質以外の溶岩の場合にもこの用語が使用される。かつては集塊岩という用語がハイアロクラスタイトを含めた、粗粒物質を多く含む火砕岩の総称として用いられていたが、集塊岩という語の定義があいまいであるので現在はあまり使用されない。