札幌市中央図書館/新札幌市史デジタルアーカイブ

新札幌市史 第1巻 通史1

第一編 札幌の自然史

第二章 山地の生いたち

第二節 グリーンタフ変動とその産物

 後期中新世(約一〇〇〇万~五〇〇万年前)の地層群である。おもに定山渓より下流の地域に分布し、下部(鱒ノ沢層)と上部(板割沢層)に分けられている。
 簾舞付近の豊平川左岸の道路の切り割りには、頁岩や泥岩が露出している。この頁岩層からはシラトリガイの仲間、トクナガキヌタレガイ、キリガイダマシの仲間、ナギナタソデガイの仲間などいろいろな貝化石やウニの化石のほか、木の葉の化石なども産出する。また、玄能石(写真1)とよばれる四角錐が二つ合わさった形の方解石の集合体などもみることができる。この地層が板割沢層である。

この図版・写真等は、著作権の保護期間中であるか、
著作権の確認が済んでいないため掲載しておりません。
 
写真-1 玄能石

 簾舞から豊平川を少しさかのぼり、鱒ノ沢付近に至ると、板割沢層の下位に、礫岩・泥岩、砂岩・泥岩互層からなる鱒ノ沢層が分布している。
 このように、砥山層群は、下位の豊羽層群定山渓層群にくらべ、非火山性の砕屑岩類が多い地層であり、グリーンタフ変動期のなかで、火山活動が比較的少なかった時期とみられている。また、砥山層群上部層(板割沢層)の層厚が東方に向かって厚くなることや岩相が夕張山系西縁部地域の同時期の地層に類似していることなどからみて、この地層が堆積した海域は、かなり広くひろがっていたと考えられる。
 砥山層群堆積期は火山活動が少なかったとはいえ、まったくなかったわけではない。この地層のなかには、しばしば安山岩や石英安山岩の貫入岩体がみられるのである。