札幌市中央図書館/新札幌市史デジタルアーカイブ

新札幌市史 第1巻 通史1

第一編 札幌の自然史

第二章 山地の生いたち

第二節 グリーンタフ変動とその産物

 定山渓温泉の泉源は豊平川河床付近にあって、岩石の割れ目から湯が湧出している。昭和五十二年現在で泉源は五五カ所あるといわれているが、ボーリングによるものは一カ所のみで、その他はすべて自然湧水である。
 河床に露出している岩石は石英斑岩(*13)である。同岩は河床以外でも、国道二三〇号線と豊平峡への道路の分岐点付近でもみることができる。石英斑岩は、石英・斜長石・黒雲母などの鉱物の結晶が目立つ粗粒な岩石であり、豊羽層群の堆積末期(夕日沢層形成期)に地下深部から貫入してきた脈岩(*14)である。詳しいメカニズムはわかっていないが、この石英斑岩の貫入が温泉の湧出に深く関係したのかもしれない。山ひとつ越えた小樽市朝里温泉にも、地下に石英斑岩の存在が知られているのである。
 
 *13 石英斑岩(せきえいはんがん) 珪長質(酸性)火成岩の一種。石英・正長石・少量の黒雲母などの斑晶と微晶質の石基からなる半深成岩である。
 *14 脈岩(みゃくがん) 産状による火成岩の分類の一つで、岩脈状をなして産する火成岩。半深成岩ともいわれるが、実際には、半深成岩から噴出岩にわたる。