札幌市中央図書館/新札幌市史デジタルアーカイブ

新札幌市史 第1巻 通史1

第一編 札幌の自然史

第二章 山地の生いたち

第二節 グリーンタフ変動とその産物

 豊平川の支流、白井川上流にある豊羽鉱山は、鉛、亜鉛、硫化鉄などを産出する道内最大の金属鉱山である。ここの鉱床(*10)は熱水鉱床(*11)で脈状の形態を示している。有用鉱物成分が濃集している部分は定山渓層群および豊羽層群の下半部である。しかし、鉱床形成のもとになる熱水溶液(*12)が地下深部から母岩(定山渓層群および豊羽層群下半部)に入り込んだ時期は、豊羽層群上部層の火山活動期と考えられる。
 このほか、この時期に生成された鉱床には、かつて、金・銀・銅などを産出した手稲鉱山やその他小鉱山がある(図3)。

図-3 札幌市の鉱山分布

 
 *10 鉱床(こうしょう) 地殻を構成する岩石の中で、特定の鉱物または化学成分が、とくに濃密に集まっている天然の鉱物の集合部分または集合体。そのうち、人間社会において利用され有用なものを有用鉱床あるいは鉱石鉱床という。
 *11 熱水鉱床(ねっすいこうしょう) 揮発性成分に富む高温の熱水溶液から沈殿あるいは周辺岩石(母岩)との成分の交代などによって生じた鉱床。生成時の温度・圧力あるいは生成深度などから、深熱水鉱床・カタサーマル鉱床(深所で生成された金石英脈鉱床)・中熱水鉱床・浅熱水鉱床・ゼノサーマル鉱床(高温相から低温相までの鉱物を含む鉱床。浅所高温型鉱床ともいう)などに分類される。金・銀・銅・鉛・亜鉛・水銀・モリブデン・タングステン・錫(スズ)・マンガンなどの鉱床はこの型に属する。
 *12 熱水溶液(ねっすいようえき) マグマの固結にともなってその末期に生じる残液で、水を主成分とする高温溶液。火成岩の構成鉱物中にはいらなかった諸成分が濃集していて、しばしば鉱床生成のもととなる物質。