東金市/東金市デジタル歴史館

第Ⅰ章 考古学の世界

今回提示した考古資料は、東金市において発掘調査され出土した主な遺物です。これらの資料が語る古代のイメージを体感して下さい。

【旧石器時代】
画像資料名資料の概要解説
ナイフ形石器1(石刃)ナイフ形石器1(石刃)滝東台遺跡。2ヶ所の遺物集中地点より出土。石材はチョコレート頁岩。後期旧石器時代で約2万年~1万5千年前と考えられる。概説 旧石器時代
ナイフ形石器2(石刃)ナイフ形石器2(石刃)
【縄文時代】
画像資料名資料の概要解説
中空円錐形土偶中空円錐形土偶千葉県指定有形文化財。鉢ヶ谷遺跡。直径1.4mの墓跡(土坑)より出土。4点の遺物は全て完存で、土坑中央に副葬。この土偶は平坦な頭部を呈するいわゆるカッパ形土偶と呼ばれ、本来中部地方にみられるもの。本体内部は空洞から「中空円錐形土偶」に分類される。時期は縄文時代中期初頭(約4,500年前)。
小型深鉢形土器小型深鉢形土器
舟形土器舟形土器
椀形土器椀形土器
縄文時代中期土器(1)-有段遺構出土縄文時代中期土器(1)-有段遺構出土-羽戸遺跡。本遺跡は竪穴住居跡の他、食料の保管や廃棄等を目的とした土坑群や機能不明の有段遺構が検出された集落跡。また幾つかの住居跡や土坑から、土器のほか貝・魚・獣骨なども出土し、当時の食料や古環境が少なからず把握された。
縄文時代中期の集落跡(約4,000年前)。
縄文遺物の出土状態と石器の種類
縄文時代中期土器(2)-竪穴住居跡出土-縄文時代中期土器(2)-竪穴住居跡出土-
縄文時代中期土器(3)-竪穴住居住居跡出土-縄文時代中期土器(3)-竪穴住居住居跡出土-
【弥生時代】
画像資料名資料の概要解説
抉入片刃石斧(砂岩)抉入片刃石斧(砂岩)道庭遺跡。方形周溝墓(墓跡)の溝より出土。大陸系磨製石斧。横斧として木材の加工に用いられる。いずれも埋納された遺物であろう。概説 弥生時代
扁平片刃石斧(砂岩)扁平片刃石斧(砂岩)
小型抉入片刃石斧(流紋岩)小型抉入片刃石斧(流紋岩)
準備中弥生土器道庭遺跡。方形周溝墓の溝内から出土(壺棺)した土器。口縁部が欠けている。
鳥形土製品。この意味するところは神の国と人の世のなかだちをする使者や穀霊の運搬者など神聖視されたという。竪穴住居跡より出土。中は空洞である。
準備中鳥形土製品
【古墳時代】
画像資料名資料の概要解説
銅鋺(かなまり)銅鋺(かなまり)油井古塚原古墳群の円墳より出土。これは仏教の飲食供養具の一つ。仏教文化の影響がみられる遺物。古墳の時期は6世紀後半。
勾玉(メノウ)勾玉(メノウ)稲荷谷遺跡。表土中より出土。装飾用の玉類。関係する遺構等は確認できなかった。
【奈良・平安時代】
画像資料名資料の概要解説
墨書土器1「弘貫」墨書土器1「弘貫」作畑遺跡。律令制下、官の許可を得ないで出家した僧尼(私度僧)の名前。村内及び村間の仏事に携わっていた。
墨書土器2「●」墨書土器2「●」作畑遺跡。則天文字:中国唐代の女帝則天武后が690年に制定した独特の文字群。現在17文字を確認。「●」(正)・●(人)・而(天)・圀(國)など(●は作字)
墨書土器3「山口家」墨書土器3「山口家」作畑遺跡。「山口」は『和名類聚抄』(10世紀に編纂)に記載されている山邊郡内7郷名の一つ。
墨書土器4「井 小田万呂」墨書土器4「井 小田万呂」作畑遺跡。人名の前の「井」は魔除けの呪符。他に五芒星(☆)があり、陰陽道との関連が指摘されている。
墨書土器5「山口館」墨書土器5「山口館」山田水呑遺跡。古代の「舘」は国内を巡行する国司等が宿泊する公的施設。「山口」は郡トップの役人(郡司)。
墨書土器6「山邊」墨書土器6「山邊」山田水呑遺跡。上総国内にある郡名。本遺跡は山邊の主要集落跡。
墨書土器7「成カ田」墨書土器7「成カ田」山田水呑遺跡。不明瞭な文字。水田に関わる文字。
墨書土器8「馬カ雁」墨書土器8「馬カ雁」山田水呑遺跡。馬に関連する文字か。馬の飼育を推測させる文字。
墨書土器9「井」墨書土器9「井」山田水呑遺跡。魔除けの解釈の他に、草・木葉の単位「圍」(イ・かこむ)をもとに井=囲=圍と考え、これに携わった集団の指摘もある。
墨書土器10「佐倉」墨書土器10「佐倉」山田水呑遺跡。解釈には郡司クラスの官人専用の倉が指摘されている。
墨書土器11「馬庭」墨書土器11「馬庭」稲荷谷遺跡。馬の飼育を意味する馬場。駅の機能をもった施設及び伝馬が想定される。「牧」を想定すべきか。
墨書土器12「屋僧」墨書土器12「屋僧」稲荷谷遺跡。僧に関連する施設か。工房跡より出土。
墨書土器13「古庁牧師」墨書土器13「古庁牧師」羽戸遺跡。牧関連の施設。この集落に「牧師=牧子」が居り、牧経営にあたっていたことが想定される。8世紀後葉の土器に書かれる。
墨書土器14「山田人」墨書土器14「山田人」羽戸遺跡。現存する地名「山田」の初現か(9世紀中葉)。「人」は、役職・役割の意も指摘されている。
墨書土器15「寺」墨書土器15「寺」鉢ヶ谷遺跡。村落内にある寺を示す。出土地点は特殊な建物(四面庇付き)及び基壇状遺構がみられるエリアである。
墨書土器16「山邊林」墨書土器16「山邊林」鉢ヶ谷遺跡。郡が管理する林・木材(杣(そま)?)の意か。
墨書土器17「万所」墨書土器17「万所」鉢ヶ谷遺跡。公的な施設。「郷」単位の行政的な施設を示す可能性が高い。
墨書土器「大立」墨書土器「大立」鉢ヶ谷遺跡。住居跡・掘立柱建物跡・墓跡からも出土し、本集落の中心的人物(集団)と考えられる。
朱書土器18「布」朱書土器18「布」滝東台遺跡。調としての布の意か。また寺院や僧侶が貢調運脚夫などのために設けた宿泊休憩施設か。
墨書土器「三井寺」墨書土器「三井寺」滝東台遺跡。第119号住居跡よりまとまって出土。他に「佛」「酒」等も出土し、上記の「布」との関連も指摘できようか。
墨書土器19「息福」墨書土器19「息福」滝東台遺跡。人名あるいは招福除災を意味するのか。
線刻土器線刻土器鉢ヶ谷遺跡。9世紀後半の竪穴住居跡より出土。線刻画―梯子を上る人か。刻書文字「沸」もあり。
石製紡錘車(刻書)石製紡錘車(刻書)羽戸遺跡。織物生産において糸を紡ぐための道具。弥生時代は土製が主流で、古墳時代後半以降から石製及び鉄製が普及。基本的には女性の所有物と考えられる。本資料には文字が刻まれ、とくに「大王」という文字がみえる。
古代の鉄製品古代の鉄製品鉢ヶ谷遺跡・羽戸遺跡。鑿(左上)、柄付き刀子(右上)、小型刀子(2段左)、鎌(左下)、鉄斧(2段中)、海老錠(中央下)、鉄鏃2点(中央右)、紡錘車(右下)。鉄鏃は掘立柱建物跡、他は住居跡出土。農具と工具
古代の銅製品古代の銅製品滝東台遺跡。右から銅鏃、耳環(金鍍金)、帯金具(鉈尾、金鍍金)。いずれも、その所有者は当地で高位の身分を示すと考えられる。銅製品の意義